NHK朝ドラ「とと姉ちゃん」
ネタバレ感想26週155話
2016年9月30日(金)放送
とと姉ちゃん26週テーマ「花山、常子に礼を言う」
とと姉ちゃん ネタバレ感想・最終回まで26週155話
9月30日(金)
あの日から2日後。
あなたの暮し出版では、いつ花山が書き直したいと言って来ても良いようにと、常子は花山の原稿を入稿せずに保留にしていました。
ちょうどその時、会社の電話が鳴ります。
水田が電話に出ると、それは花山の妻・三枝子からでした。
何か嫌な予感がしながらも、常子が電話を代わります。
三枝子は、落ち着いた声で、花山が息を引き取った事を伝えるのでした。
花山宅にて・・・
常子と美子が、急いで花山宅を訪ねます。ベッドでは、花山が安らかな表情で眠っていました。
三枝子は、涙ながらに、花山の容体が急変し連絡が間に合わなかったと、常子に謝ります。
花山の顔を側で見た美子は、堪えきれずに声を出して泣き出します。
常子は、冷静ながらも、涙が溢れます。
そんな常子に、三枝子が話します。
2日前の夜、常子が帰った後、花山は満足そうだったといいます。そして、「常子さんに任せておけば大丈夫だ。」と語ったと言います。
「そんな風に褒めて下さったのは、初めてですね・・・。」常子が応えます。


そこに、花山の孫娘・みのりが、じいじの似顔絵を描いたと言って走ってきます。
「じいじ、起きて。」その無邪気な姿に、常子も堪えきれず、顔を覆い泣き崩れるのでした。
小橋家にて・・・
花山の死を受け、小橋家には暗い空気が流れていました。
そこに、常子が原稿を持って現れます。
それは、三枝子から預かった、花山の最後の原稿でした。
皆で原稿を読み進めていると、たまきが何かに気付きます。
花山から、常子達姉妹に向けたメッセージでした。美子、鞠子へのメッセージが読まれ、最後に常子へのメッセージが読まれます。
「常子さん、君に感謝を伝えるには、原稿用紙が何枚必要だろうね。君がいなければ、今の私はいなかった。ありがとう。」
そのメッセージに、常子は微笑みます。そして、1枚の紙には、あなたの暮し出版の社員達の似顔絵が描かれているのでした。
花山が亡くなった、2か月後。
「あなたの暮し」は、長年の功績が認められ、雑誌の最高栄誉とされる「日本出版文化賞」という大きな賞を受賞したのでした。
あなたの暮し出版では、社員達がテレビの前に集まっています。
社長の常子がテレビ番組に出演する事になったのでした。緊張した面持ちの常子は、自分の肩をポンポンと叩き、「どうしたもんじゃろうのう・・・。」と、花山に語り掛けます。

そしていよいよ、常子がテレビ画面に映るのでした・・・ つづく
とと姉ちゃん26週155話・感想まとめ
【最後のサプライズゲスト】
泣いても笑っても、とうとう明日で最後を迎える「とと姉ちゃん」…。今日のサプライズゲストは阿川佐和子さんでしたね。
どんなにあがいても、後1日しか残っていませんので阿川佐和子さんが、サプライズゲストのラストバッター、大取ということになりそうですね。
常子ちゃんが出演したテレビ番組の司会者を阿川さんが演じたわけですけれど、昭和50年ごろと言えば日本のテレビ各局は「ワイドショー」が全盛期でした。
(今では「ワイドショー」と言う呼び方はせず「情報番組」と呼ばれています)
その「ワイドショー」の中には大変人気のある女性司会者がいらっしゃいましたので、今日は、その女性司会者さんと阿川佐和子さんが演じている沢静子さんを勝手に重ね合わせて拝見いたしました。
今日の阿川佐和子さんも入社試験時のゲスト、陳健一さんと同様に見事な存在感でしたねぇ。
驚くことに出演の依頼があったのは収録日の一週間前だったそうですけれど、阿川さんの撮影シーンのセット自体がテレビ局のスタジオ風景なので、どなたが本物のカメラマンや照明係なのか、役に扮している役者さんなのか区別がつかなくて可笑しいやら緊張するやら、だったとコメントされています。
NHK見学の小学生気分で興奮しつつ(本人談)、十分に楽しんだご様子ですね。それに、ご自分のインタビュー番組も持っていらっしゃいますから、司会はお手の物なのでしょうが、とても自然体で女優業もいけそうな勢いでしたよね。
ところで、ナレーションを担当している檀ふみさんと阿川佐和子さんは大の仲良しなのだ、そうですよ。二人とも偉大な作家の娘そして、文章も手掛ける才女という共通点がありますものね。
【「日本出版文化賞」と表紙に書かれた「2世紀」の意味は?】
常子ちゃんが受賞後に出演したテレビ番組の司会者が沢静子さんこと阿川佐和子さんそして、受賞したのが「日本出版文化賞」との設定でしたよね。
それは大変喜ばしい出来事なのですが、実は「日本出版文化賞」という賞自体は実在してはいません。それぞれの出版社名などを冠した文化賞は多数あるのですが「日本」を冠した文化賞は存在していないようですよ。どうやら、ドラマの中だけの架空の賞のようですね。
でも、常子ちゃんのモデル大橋鎭子さんは平成6年に暮しの手帖の中で連載していたエッセイ「すてきなあなたに」で東京都文化賞を受賞していますから、こちらがモチーフなのでしょう。
それと、沢静子さんがインタビューの中で、『「あなたの暮らし」は第1号から2世紀第35号まで出版されているわけですが~』と言っていたこの2世紀にはどんな意味があるのでしょう。
実際、「あなたの暮らし」が並べてある棚には戦争の体験談を募集した31号以降のバックナンバーはすべて表紙に「2世紀」と書かれていましたよね。やはり、その答えもモチーフの「暮しの手帖」にあるようです。
編集長の花森安治氏は、「暮しの手帖」は100号で区切りをつけ、100号までを「1世紀」として101号から「2世紀」と考えていたようです。ですから、「あなたの暮し」もそれにならって30号で「1世紀」を終え31号から「2世紀」へ、という形をとったのではないでしょうかしらね。
【さようならをありがとうに代えて】
今日は、花山さんの遺体を前に、嗚咽を抑えきれないよっちゃんと流れる涙に逆らって必死に涙を堪えようとする常子ちゃんの姿に、涙腺が崩壊。
花山さんの最後の原稿には常子ちゃん三姉妹に対する深い愛情と感謝の気持ちが溢れていました。それは、二日前の雪の日『常子さん、どうもありがとう』と首を垂れ、玄関先で微笑み手を振りながら常子ちゃんを見送った花山さんを思い出させます。
花山さんはさようならをありがとうの言葉に代えて、旅立ったのですね。そう考えれば涙も乾くというものです。
ではでは
感想by香風