NHK朝ドラ「べっぴんさん」
ネタバレ感想1週4話
2016年10月6日(木)放送
べっぴんさん1週テーマ「想いを込めた特別な品」
べっぴんさん ネタバレ感想・最終回まで1週4話
10月4日6日(木)
予告記事の為、放送と違う場合があります。放送後に修正・追記しています。
よろしくお願いいたします。
「謝って済んだら、警察はいらん!」一歩間違えていればどんな目に遭っていたかも分からないと、五十八の怒りは収まりません。

その声は、ちょうど訪ねて来ていた貴族院議員・田中五郎と彼の息子・紀夫がいる別室まで、はっきり聞こえる程でした。
怒りの収まりかけた五十八を見計らって、麻田がゆりの靴が出来上がったので持参したと差し出します。
すると、再び五十八の怒りが火を噴きます。すみれが店に行った時に、どうして帰るように言わなかったのかと麻田を激しく叱責し始めました。
そして、「あんさんとはこれきりにさせてもらう!」と、出入り禁止を言い渡すのでした。
「お父様!」すみれが慌てて階段を駆け下ります。
「堪忍して下さい!」と頭を下げ、そして「私があかんのに、皆を怒るのは止めて下さい!」と訴えるのでした。
すみれは、麻田がすぐに帰るように言ってくれた事を、必死に五十八に説明します。そして、母・はながすみれ達の靴を麻田に頼んでくれている事を話し「女学校上がる時も、お嫁さん行く時も、お母様が頼んでくれた靴を履きたい!」と、すみれは父に懇願するのでした。
口下手なすみれが、自分の考えを必死に伝える姿を見た五十八は、ようやく我を取り戻すと「どんだけ心配した思てるんや・・・」と、すみれを抱き締めるのでした・・・
そんな光景を覗いていた紀夫は、けなげなすみれの姿を見つめながら、何故か胸が高鳴るのを覚えるのでした。
数日後。
すみれは父と二人で、母・はなの見舞いに訪れました。五十八は、医師に挨拶をしてくると言って退室します。
すみれは、自分が作った “ゆりとすみれの刺繍”を母に渡します。
はなは「一生の宝物や。別品やな。」と言い、心から喜んでくれるのでした。
そして、すみれがもっと上手くなりたいと言うと、はなは刺繍を教えながら二人で穏やかな時を過ごすのでした・・・
一方、五十八は医師からはなの余命が短い事を告げられます。すると、五十八は、はなに子供たちと過ごす時間を作ってやりたい、1日でも退院できないかと医師に頼むのでした。
この時、はな自身も、自分の命が長くはない事を分かっているようでした。

そして、はなは病室で愛おしそうにすみれを抱きしめながら、もうすぐ来るであろう別れを予感するのでした・・・つづく
べっぴんさん1週4話・感想まとめ
すみれが行方不明と聞いて帰ってきた五十八。彼の怒りは一向におさまりそうにありません。五十八の怒りの矛先は、ゆりの靴を納入しようとする麻田にも向かっていきます。
▮言い訳をしない麻田
前回、麻田は、すみれと潔が店にやってきたとき、お屋敷に帰るようにと言って、頑として靴を作る過程を見せることはありませんでした。(あとで結局すみれが盗み見てしまいますが・・・。)
そんなことを知らない五十八に、どうしてすぐに帰らせなかった、親心がわからないのか、と責められる麻田。
普通なら申し開きをするところですが、麻田は決して言い訳をしません。もちろん、大得意先である五十八に口答えできないというのもあるのだろうけれど、それ以上に、職人気質の麻田の真っ直ぐな性格が伝わってくる場面です。
同じように真っ直ぐな心を持つすみれをかばう気持ちもあったのでしょう。
▮意外と似たもの同士の父と娘
麻田は、言い訳をせず、ただ五十八に謝ります。もちろんこれでは五十八は納得せず、麻田への出入り禁止を宣告してしまいます。
これには、それまで様子を見ていたすみれも、慌てて五十八を止めに入ります。
とっさに大胆な行動に出たものの・・・。
やっぱり五十八を前にするとなにも言えなくなってしまうすみれ。でも、今はそんなことを言っている場合ではありません。
「私があかんねん。私があかんのにみんなを怒るのは止めてください!」やっとの思いでそう伝えたすみれ。
「そうか、そうやな。」
普段は自分の意見を言わないすみれが一生懸命伝えた思いの丈。その言葉に、他の人たちに当たり散らしても仕方がない、と五十八もようやく気がつきます。
この辺り、五十八も優秀な経営者として名を馳せた人物。ただの頑固親父とは違います。すみれともう一度向き合い、自分がどれほど心配したかという心の内を隠すことなく正直に言って聞かせるのです。
この父と娘のシーンからは、全くタイプが違うように思われる父・五十八と娘・すみれの共通点が垣間見られるような気がします。
すみれへのあふれんばかりの愛情をうまく説明できず、誰彼構わず怒鳴り散らしてしまう五十八。一方、はち切れんばかりの思いを上手に言葉にできず、口ごもってしまうすみれ。
“想いはあるのに表現が苦手”という点では、意外と似たもの親子なのかも・・・
▮田中紀夫のドキドキの原因は・・・?
ここに、もう一人、自分の気持ちを伝えられない人物がいます。田中紀夫です。
将来、すみれにとって、浅からぬ縁を持つことになる男性らしいですが・・・
すみれの勇気ある行動に動揺を隠せない紀夫。彼もまた、“想いはあるのに表現が苦手”なため、すみれの姿に大きな衝撃を受けたようです。
このドキドキとする胸の高鳴りは、ただの興奮なのか、それとも・・・。すみれと紀夫、口下手同士の二人のこれからの関係も気になりますよね!
▮「べっぴんやな。」
「誰がどんな想いを込めて作るのか、それが一番大事なんです。」そんな麻田の言葉に後押しされ、すみれは作り直した刺繍をはなに見せることに決めました。
「一生の宝物や。」そう言って褒めてくれるはな。「べっぴんやな。」
どんな高価な品よりも、すみれがはなのことを思って作ってくれたその刺繍は、はなにとって「べっぴん」。そして、それは、同時に、すみれの存在が「特別なもの=べっぴん」であるということに他なりません。
はなの心残りはただ一つ。
この愛おしい子どもたちと分かれなければならないこと。自分の人生に対する未練は微塵もありません。ただ「子どもたちとの幸せな時間」を終わらせたくない。そんな切ない母心です。
そう思い涙するはなの姿は、まだ母親との永遠の別れが近いことを知らないすみれの幼い姿と対照的で、それが私たちの涙腺を刺激し胸をしめつけます・・・
ではでは
感想byありす