NHK朝ドラ「べっぴんさん」
ネタバレあらすじ感想6週31話
2016年11月7日(月)放送
べっぴんさん6週テーマ「笑顔をもう一度」
べっぴんさん ネタバレ感想・最終回まで6週31話
「ベビーショップあさや」にて・・・
すみれと明美は、ランディ大佐宅のパーティーに間に合わせる為、連日寝る間も惜しんでテーブルクロス作りを進めていました。
ある日の事、すみれと明美は徹夜でテーブルクロス作りをし、朝を迎えていました。そんな中、店に良子と君枝がやって来ました。
明美は「ほんで何?一緒に作りに来たん?」と冷たく聞き返します。2人は、少しなら家に持ち帰ってできるかも知れないと、自信無さそうに答えます。
その曖昧な態度に「自分の為に中途半端な事すんのやめてや。迷惑やわ!」と明美は言放ち、申し訳ないという自分の気持ちを軽くしたいだけだろうと指摘します。
そして、仕事をしてお金を稼ぐという事が分かっていないと、良子に詰め寄ると、その言葉に良子は、明美も看護婦の仕事の片手間に店を手伝っているだけだと反論します。
すると、明美はその場の勢いで、看護婦の仕事を辞めさせられた事を明かすのでした。
まさかの発言に、すみれも驚いてしまうのでした。
しかし明美は、泣いているだけでは暮らしていけない、今は目の前の仕事を頑張ろうと思っていると話します。
そして「あんたらも決めてや。やるなら責任を持ってやる。やらへんのやったら、やらんでええし。」と厳しく迫るのでした。明美の覚悟を知った良子と君枝は、そのまま申し訳なさそうに帰って行くのでした。
良子と明美が帰った後も、すみれと明美は作業を続けます。そんな中、明美がふと外に目をやると、ショーウィンドウに飾られた「ワンピース」を見つめる少女の姿に気付きます。
すみれが外に出て声を掛けると、女の子は恥ずかしそうに無言で走り去ってしまうのでした。
そして、何度目かの徹夜を続けた二人は、ついにテーブルクロスを完成させ、ランディ大佐宅に届けます。その仕上がりに満足したリサ夫人は、すみれ達を見送ってくれます。
そこに、君枝が様子を見にやって来ました。
事情を知らないリサ夫人は、君枝にもお礼を言いハグをします。ところが、その光景を君枝の夫・昭一が目にしてしまいます。
「どういう事や?説明してくれ。」と、昭一は厳しい口調で問いただします。
「自分たちの家を接収した人たちと、仲良くはできない」と昭一の前で、義母・琴子に言われたばかりだったのでした・・・つづく
ワンピースを見ていた少女・美幸ちゃんとは?
明美のモデル・大ヶ瀬久子さんとは?>>
君枝役の土村さんは新体操インターハイ出場?>>
べっぴんさんネタバレ6週31話・感想まとめ
今回は、一度は一緒に仕事をやろうと決めた、すみれたち四人の仕事観の違いが大きく浮き彫りにされるストーリーでした。
◇ 仕事とは何か?深まる四人の溝
すみれは、もともと芯が強く、幼い頃から一つのことに取りかかったら止まらなくなってしまい、気がつくと朝まで根を詰めてやり続けるという性格。さらに、前回の放送では、五十八が根本たちと対峙し、仕事に対する熱い思いを語るのを目の当たりにしました。
今までの「お嬢様の手芸クラブ」の延長といった意識も薄まり、しっかりと仕事に向き合っていく決意が画面からも見てとれますね。
今回も、良子と君枝が抜けてしまい、タイトな納期が迫る中、一睡もせず、弱音も吐かずに責任を持って仕事に取り組む姿勢が印象的でした。
明美も、もともとはすみれに引きずり込まれたのがきっかけとはいえ、今までも自分の仕事で生計を立ててきた身。
子どもの頃から、母親・マツの苦労も見てきましたから、お金を稼ぐことの大変さはすみれ以上に理解しています。今は辞めさせられたとはいえ、命を守る看護師という仕事柄、責任感も人一倍です。
一方、良子と君枝は、すみれのように背中で教えてくれる父親もいなければ、明美のような経験もありません。もともとお嬢様として育ち、良家に嫁いだ彼女たちは、戦争さえなければ、一生働くことなどないはずでした。
ベビーショップあさだの仕事も、あくまでも「お嬢様の手芸クラブ」の延長です。
仕事人として働く人間であれば、もともと厳しい納期を前に、人員が半分に減っては、商売が立ち行かなくなることはすぐにわかります。しかも明美は洋裁の分野では、全くの素人。
ことは、一件の納期に間に合わないというだけでとどまらず、せっかく始めた商売の信用にも関わってくる一大事です。
本当にできるかどうかの確約もできないまま、罪悪感から良子と君枝の分を家に持って帰られても、先行きがさらに見通せなくなってしまい、かえって事態が悪化するのは目に見えています。
明美も当然、二人に悪気があって言っているのではないということはわかっています。けれども、今までは、良子や君枝と同じような「お嬢様」だと思っていたすみれの必死の頑張りを見ているだけに、仕事に対する甘さと自分勝手な言い分に気がつかない二人に苛立ちを隠せないようです。
この四人がまた集まって一つの仕事に取り組むためには、まだまだたくさんの壁を乗りこえなければならないようですね。
◇ 接収された村田家の事情
君枝の嫁ぎ先である村田家は、現在、GHQに接収されています。接収が決まると、対価もなく無条件に土地や建物を差し押さえられてしまいます。当時、アメリカの占領下にあった日本には、たくさんの米兵やそれに関わる人々、その家族などが駐留していました。
1946年には40万人を超えていたともいわれるアメリカ人たちが生活するために、空襲で焼け残っていた施設や邸宅は、どんどん接収されていったのです。焼けずに残った立派な村田家のお屋敷をGHQが見逃すわけがありません。
でも、当然、そこに住む人たちにとっては受け入れがたいこと。今まで敵だと教えられてきたアメリカ人が、我が物顔で大切な「我が家」を使っているのです。
「家長」制度がなくなった現代とは違い、琴子の世代の人たちは、「家」というものに特別な意識を持っています。今の時代のように、簡単に引っ越したり、家を離れたりすることも少なかったようです。
さらに、使用人の住居まであり、戦後の混乱期でさえ、きっちりと和服を着て過ごしている琴子の様子からも、村田家はかなりの「名門」のようです。
建物だけでなく、今まで脈々と守ってきた「家柄」や「家系」・・・。立派なお屋敷を接収されてしまった琴子は、そんなアイデンティティーに関わる大切な部分に、まさに土足で入ってこられたような憤りを感じているのでしょう。
そんな村田家の事情や琴子の心情を連想したうえで、最後の君枝とランディ夫人のハグ・シーンを改めて見直すと、この行動がいかにたくさんの問題を抱えているかが想像できますよね。
そして、何も知らない昭一の驚愕と混乱も、より深く伝わって来るようです・・・
ではでは
感想byありす