NHK朝ドラ「べっぴんさん」
ネタバレあらすじ感想7週40話
2016年11月17日(木)放送
べっぴんさん7週テーマ「未来」
べっぴんさん ネタバレ感想・最終回まで7週40話
11月17日(木)
夜更けになり、玄関口ですみれと栄輔は、自分達の家族について語り合います。
栄輔は、傘工場を営む両親と妹と、貧しいながらも楽しく幸せに暮らしていたと言います。栄輔は、妹が洋裁を習っていたと言い、すみれは誰から洋裁を習ったのかと聞きます。
すみれは、刺繍が上手な母親から教わったと話し、入院していた母に見せたい一心で刺繍をした事で、自分の人生は変わったと言うのでした。
和やかに話す中、栄輔が「なぁ、すみれさん。これ、紀夫さんの浴衣やろ?」と聞くと、すみれは小さく頷きます。
そして、紀夫がどんな人なのかと聞く栄輔に、結婚式の時の写真を見せるのでした。
そこへ、寝ぼけ眼のさくらが起きてきます。
さくらは、栄輔の顔を見て「お父さん・・・。」と呟きます。すみれは慌てて謝りますが、栄輔は「なんやろ・・・なんやろな・・・。ええなぁって思ったわ、今。家族ってええなぁって。」と、胸の中に温かいものを感じるのでした。
翌朝、すみれはさくらと一緒に栄輔を近くまで見送ります。
別れ際、栄輔は、道沿いの堅いつぼみを付けた桜の木に目をやります。そして、さくらがまだ桜の花が咲く様子を見た事がないと聞くと、今年はすみれとさくらと自分の3人で満開の桜を見ようと約束し帰って行くのでした。
その日、
すみれが出勤すると、商店街が喪服の人々で埋まっていました。
どうしたのかと綾子達に声を掛けると、時計屋の時子に夫の戦死公報が届いたと言うのでした。
程なくして、遺影を抱いた時子の父と、位牌を手にした時子が出て来ます。
時子の涙を見たすみれは、大きな悲しみと不安を感じるのでした・・・。
梅田の闇市にて・・・
潔は、意を決したかのように「お前、すみれちゃんに惚れてるんやないやろな?」と、栄輔に聞きます。栄輔は慌てて、ただすみれとさくらを助けたいだけだと説明します。
しかし、潔は「あかんで、すみれちゃんはあかん。」と厳しく言い、自分達は坂東家に仕える身であり、坂東家の当主は紀夫である事を忘れるなと釘を刺します。
すると栄輔は、潔には“自分は番頭の息子で、ゆりは坂東家の娘”という考えがあり、だからゆりや五十八に遠慮して思っている事が言えないのだと反発します。
そして「わしは違う。わしは、自分の生きたいように生きますわ。」と言い放ち、その場を後にするのでした。
すみれの自宅にて・・・
すみれはその日、時子の夫の葬儀を目の当たりにし、いまだ安否さえ分からない夫・紀夫へ不安が高まります。すみれは、そんな重苦しい影に押し潰されそうな夜を迎えていたのでした・・・つづく
時子役の畔田さんは五代目おけいはん?>>
千代子役・家具屋で苗字がニトリは遊びすぎ?>>
べっぴんさんネタバレ7週40話・感想まとめ
さくらのために泊まっていくことになった栄輔。今回は、栄輔の過去や思いが明らかにされます。
◇ 栄輔の心の奥底にあるものは・・・?
さくらが寝てしまった後、すみれと栄輔は、お互いの家族について語り合います。すみれと栄輔が一緒にいるシーンは何度も見かけましたが、二人がここまで腰を据えてじっくりと話をするのは、初めてのことです。
仲が良く、笑いの絶えない家族を失ったと語る栄輔。普段は誰よりも明るく振る舞っていますが、その心の闇は随分と深そうです。
すみれは、戦争前に母・はなを亡くしたものの、父も姉も娘も無事でした。潔は、父・正蔵を失ったものの、ゆりがいます。君枝も良子も生活環境が変わっても、家族は元通りに戻りました。
明美は、確かに、栄輔と同じように、言ってみれば天涯孤独の身。ただ、もともと家族に囲まれて幸せに暮していた、というわけではなく、少し栄輔とは事情が違います。
栄輔にとって家族は、「身近」に「当たり前」に存在するものでした。栄輔の性格から考えて、生きているときから、妹を可愛がり、家族を大切にしていたはずでしょう。それでも、その日常は、いつまでも続く「当たり前」のことだと思っていたから、改めて幸せだと感じることもないまま、暮していたのではないでしょうか。
今、そのすべてを失って、初めて家族というものの素晴らしさ、文字通り「有り難さ」に気がついたのでした。
寝ぼけたさくらに「お父さん」と呼ばれ、栄輔は感極まったように、「なんやろ、なんやろな・・・。ええなぁ、って思ったわ、今。家族ってええなぁって・・・。」と反応します。
表面的ないつもの明るい栄輔であれば、ここは調子に乗ってニマニマと笑って終わってしまいそうな場面です。
でも、この言葉こそが、栄輔の本当の思いなんでしょうね。
栄輔は、周りが指摘するとおり、間違いなく、すみれに惚れています。でも、栄輔が言い訳のように言う、すみれを妹のように思っている、という気持ちも決して嘘ではないようです。
愛されて育った子どもは、人を愛することを学ぶといいます。すみれと同じように、愛されて育った栄輔の愛は、今、妹や家族を失い、やり場をなくしています。その愛の矛先が、健気に生きるすみれであり、さくらに向かうのも当然の事かもしれません。
ただの恋愛感情、それ以上の思いがあるからこそ、紀夫を一途に待つすみれを励まし、守ってやりたいと思うのでしょう。
栄輔を演じる松下優也さんは、生粋の関西人、「べっぴんさん」の故郷、兵庫県の出身です。ネイティブの関西弁で語られる「ええなぁ・・・」のイントネーションが涙を誘いますね。桜を三人で一緒に見るという約束は、はたして叶えられるのでしょうか?
◇ 時子の夫の葬儀を目の当たりにし・・・
時計屋の娘・時子の夫の戦死が伝えられ、葬儀が営まれています。「戦死公報」という少し耳慣れない言葉が出てきましたね。これは、正式には「死亡告知書」と呼ばれるもので、亡くなった遺族のもとに知事の名前で発行されるものでした。
戦争の始まった頃は、正確な戦死の情報が比較的早く、遺族のもとに伝えられていましたが、戦局が悪化してきた戦争末期や戦後は、2年以上経ってから届くということもザラだったそうです。
中には、戦死公報が届いたのに、実は生きていたというケースもあり、夫の死を告げられ泣く泣く再婚した女性に、夫が帰ってきてトラブルになったということもあったようです。また、遺骨も帰ってこず、板きれに名前が書かれたものが渡されたという人も多かったようです。
一枚の召集令状で徴兵され、そしてまた、紙切れで死を知らされる・・・。何ともやりきれない現実です。葬列を目の当たりにして、すみれはより一層、「紀夫の死」を身近なものとしてとらえたことでしょう。
◇ 「番頭の息子」
兄貴と慕う潔に対して、初めて意見する栄輔。このシーンからも、栄輔のすみれへの思いが上っ面だけのものではないということが伝わってきますね。
そして、それ以上に、この栄輔の意見は、潔の複雑な心中をうまく言い表しているように感じます。
「坂東家の番頭の息子」。養父・正蔵から受け継いだ坂東家への忠義心。それは、潔の商売の、もっと言えば、人生の根幹でもあります。坂東営業部を再興することは、潔の最大の目標でもあり、きっとそれは、最後まで会社と運命をともにし、死んでいった正蔵の思いでもあるはずです。
けれども、だからこそ、ゆりや五十八に対して遠慮があるのも事実です。特に、ゆりは潔の妻であり、ゆり自身、「坂東家のお嬢様」としてではなく、対等な「同志」として扱って欲しがっているのです。
良子や君枝たちの夫婦が落ちついていく中、あれだけ相手を認め合って結婚したのに、いつまでもどこかギクシャクしている潔とゆり。
この栄輔の言葉が、潔の心に一石を投じることになるのでしょうか?
こちらの展開からも目が離せませんね!
ではでは
感想byありす