NHK朝ドラ「べっぴんさん」
ネタバレあらすじ感想8週44話
2016年11月22日(火)放送
べっぴんさん8週テーマ「止まったままの時計」
べっぴんさん ネタバレ感想・最終回まで8週44話
11月22日(火)
いよいよ、「キアリス」新店舗の準備が始まりました。
そんな忙しさの中でも、昨日の紀夫の言葉が脳裏に浮かびます。
やっと戻ってくれた紀夫でしたが、何か通じ合えないものがあることを知り、すみれは戸惑ってしまいます・・・
そして、紀夫は職探しを始めますが、簡単ではありませんでした。
紀夫自身も、変わってしまったこの国の実情を改めて目の当たりにし、戸惑うばかりでした。
一方、近江では・・・
すみれの姉・ゆりが、本家の主・長太郎から紹介された業者から、麻布などを仕入れ、大阪の夫・潔に送るために懸命に働いていました。
また、本家の中では、長太郎の妻・節子や息子の嫁・静子に交じって、家事の手伝いもこなしていました。今夜は、日ごろお世話になっている業者を招いて、酒席が設けられるといいゆりも手伝います。
そんな席で、酒のまわった客・石鍋がゆりのおしりを触ったのです。ゆりは驚き跳ね退くと「さわりましたよねぇ!」と睨みつけます。
ゆりの反応に引っ込みのつかなくなった石鍋は、言いがかりをつけられたと言い帰ってしまうのでした。
そんなアクシデントの後、勝手場でひとり酒の準備をするゆり。
そこに祖母・トク子がやってきました。
「なんやの、あの人は・・・」ゆりは救いを求めるようにトク子に言いますが、トク子は厳しい顔でゆりに言うのでした。
「何を言ってんのや!」トク子は人前で恥をかかせるようなことを言ったと、逆にゆりをたしなめるのでした。
さらに、世の中には、泥水をすすらなければならないことも、水に流さなければならないこともある。しかし、それは自分次第で「湧き水に変えることもできる」と説くのでした。
しかし、納得できないという顔をするゆり。すると、トク子は、それが分からないのだったら大阪に帰れと声を荒げるのでした。
神戸では・・・
日の暮れた街で、紀夫はまっすぐ帰る気にもなれず、それとなく屋台に入り飲めない酒を口にしてみるのでした。
すると、偶然通りかかった勝二と昭一が紀夫に気付き、声をかけてきました。
紀夫は「・・・まるで浦島太郎ですわ」とこぼします。
二人も、同じ思いをしたと話します。しかし、妻たちが未来を見て生きている姿を知り、自分たちも変わらなければならない事に気付いたと、昭一は語るのでした。
自宅にて・・・
帰宅した紀夫は、戦地で捕虜となり、極寒の収容所に送られていたことをすみれに明かします。極限状態に置かれた収容所では、仲間同士の裏切りが日常的に起こり、紀夫はもう人を信用できなくなっていたのでした。
「これからは、僕がすみれとさくらを守る。・・・おやすみ」と床に就く紀夫を見ながら、すみれは、紀夫の変わりように戸惑い、途方に暮れるのでした・・・ つづく
勝二役の田中さんは朝ドラ6本目?>>
勝二のモデル・田村寛次郎氏とは?>>
べっぴんさんネタバレ8週44話・感想まとめ
桜の季節、やっと紀夫君が帰還して、すみれちゃんたちのキアリスも始動し始めましたね。
めでたしめでたしと言いたいところですが、もしかするとすみれちゃんとっては、めでささも中ぐらいの春かもしれませんねぇ。『他人を信じるな』などと言う紀夫君はすみれちゃんにとっては、まるで知らない人、別人ではないでしょうかしら。
すみれちゃんの『紀夫さん、前はそんな人やなかったやない』という言葉が、心に深い傷を負った紀夫君には、とても届きそうにない様子…。辛いですねぇ。
ここは気分一新、キアリスのモデル「ファミリア」を探索することにいたします。
◇ ファミリア誕生は「男女の和と協力」から
ファミリアがキアリスの史実上のモデルなのは、こちらのサイトでも紹介されていますが、名前の由来が、「男女の和と協力」からとは、ちょっとプチ情報かも…。
真摯なものづくりに励む4人の女性を理解して経営面をサポートしたご主人たちがいたからこそ、「男女の和と協力」の意味を込めたファミリアなのだそうです。
でも、いくらご主人たちのサポートがあったからと言って、お嬢様育ちの4人の女性が始めた小さなお店が大成功を収めたことは、とても興味深いことですよね。
思うに、その成功の大きな要因は、物がなく粗悪品でも簡単に売れてしまう時代に、本物の良さ、クオリティーの高さを追求したことにあるのではないでしょうかしら。(これって、すみれちゃんのお父上、五十八氏と同じ考えですね)
それに、ファミリアの成功には4人の女性が、それぞれプロ級の腕前の持ち主だったことが大いに関係ありそうです。
◇ 本物を知るファミリアの4人の女性
坂野惇子さんをはじめ4人の女性は、裕福な良家のお嬢様です。そのため、4人それぞれが手芸だけでなく、デザインや絵画、様々な分野で一流の先生から学び、技術を習得しています。
坂野惇子さんは、女学校時代に神戸に住んでいたフランス人からフランス刺繍を学び、高名な洋裁家からは手芸を学んでいたとのこと。そして、お店を始めるときに坂野惇子さんが最初に声をかけた田村江つ子さん、彼女もカネボウの初代デザイナーである田中千代さんから個人レッスンを受けています。
その田村江つ子さんの義理の姉上が田村光子さんですが、彼女の手芸と洋裁の腕前と言えば、他の3人が驚嘆するプロをも凌駕する大変な技量を持った方だったようです。
最後の一人、村井ミヨ子さんは女学校を出ると様々なお稽古ごとに励み油絵の巨匠、小磯良平さんの個人レッスンで本格的に絵画を学んでいます。やはり、確かな技術力と本物を知る目が、ファミリアを成功に導いたのでしょうね。
◇ トク子おばあちゃんといぶし銀
紀夫君の時計が時を刻み始めるにはまだ、時間がかかりそうですが、ゆりさんは近江で奮闘中。でも、どうやらトク子おばあちゃんはゆりちゃんが商売人は向いていないと思っているご様子ですね。
『泥水すすらんならん事もある。水に流さんならん事もあるのや。けど泥水は自分次第で湧き水に変える事もできんのや』とは、さすがの名言ですが語気を荒げて『あんた、帰んなさい』とはちと、ゆりさんにきつ過ぎではと思った矢先、待っていました、博太郎さん!屈折した役だと一層いぶし銀が光ります。
半身で障子の陰からゆりさんを見ているは、トク子おばあちゃんの逆鱗からは守るは、近頃の長太郎伯父さん、もしかしたら、頑張っているゆりさんに商売が得意ではない自分自身を映し、応援しているのかもしれませんねぇ。
『酒がのうなったぞ』と声をかけた時の優しい笑顔、独特の間合いと言い、所作と言い、年を重ねていぶし銀のような本田博太郎さんが大好きです。もっと出番が多くなってほしいと願っておりますが、無理でしょうかしら。
ではでは
感想by香風