NHK朝ドラ「べっぴんさん」
ネタバレあらすじ感想9週52話
2016年12月1日(木)放送
べっぴんさん9週テーマ「チャンス到来!」
べっぴんさん ネタバレ感想・最終回まで9週52話
12月1日(木)
キアリスにて・・・
大急百貨店に出店する事を決めたすみれ達は、早速、商店街の時子達にベビー服の作り方など、裁縫の仕方を教えます。
そんな中、時子は「私、嬉しかったんよ。」と語ります。
夫を戦争で亡くした時子は、今は父・時久がいるが、いずれは手に職を付けて子供の為にも自立して生活できるように頑張りたいと話すのでした。
帰り際、これから益々忙しくなる中、子供達の世話はどうするのかと、時子が心配そうに聞きます。そして、友達で子供を保育所に預けている人がいると助言してくれるのでした。
坂東宅にて・・・
その日の夜、食卓を囲む中、すみれは紀夫と喜代に保育所の事を相談します。すみれも、いつまでも喜代にさくらの世話を頼むのを心苦しく考えていたのでした。
ところが、さくらが不憫だと、喜代は寂しそうにうつむきます。すみれは、とりあえず一度見てくると話し、さっそく明日行ってみることにするのでした。
良子や君枝も、それぞれ夫達に保育所に預けたいと相談します。勝二は賛成してくれます。
昭一も賛成しますが、昭一の母・琴子からは、自分がいるのに他所に預ける必要などないと、猛反対されてしまうのでした。
翌朝の事。
すみれと良子は、君枝に店を任せ、子供達を連れて保育所へと向かいます。
保育所に着くと、龍一はすぐに他の子と遊びだしますが、さくらは不安そうな表情を浮かべます。そんなさくらを気にしつつも、すみれは大急百貨店との打ち合わせのため、坂東営業部へと向かうのでした。
同じ頃、商店街に1人の男が新聞を片手にやって来ます。
大阪・梅田の闇市にいたチンピラ・玉井でした。
玉井は、なぜかキアリスに関心があるようで、言葉巧みに時計屋の時久からいろいろと聞きだしていました。
そして、新聞に書かれなかった1人が明美だという情報を手に入れるのでした。
坂東営業部にて・・・
すみれは、大急百貨店の売り場担当・小山と初めての打ち合わせをしています。
紀夫も立ち会う中、商品見本を見た小山は、キリアスの商品タグを全て外し代わりに“大急特選”のマークを付けるというのでした。紀夫は名誉な事だと大喜びします。しかし、一方的なその話にすみれは困惑するのでした。
キアリスにて・・・
店に戻ったすみれは、キアリスの商品タグを外して欲しいと言われた事を皆に伝えます。すると、その話にみんなも、言い知れぬ違和感を抱くのでした・・・つづく
▮幼い頃の龍一君「百田の耳」撮影秘話?>>
▮琴子役のいしのさんはアイドル出身?>>
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べっぴんさん9週52話・感想まとめ
大急百貨店に出品することを決めたすみれたちは、時子たちに協力をあおぎ、今までよりたくさんの商品を作るべく動き出しました。
忙しくなるすみれたちは、子どもを保育所に預けることに決めましたが・・・。
◇ 今とは全く異なる「保育所」に対する認識
現在では、働く女性にとって、なくてはならない存在となっている保育所ですが、当時の常識は少し違っています。それは、すみれが「さくらを保育所に預ける」と伝えた際の喜代の反応がすべてを物語っています。
「さくらお嬢様が不憫です・・・。」この言葉の時代的な背景について、少し探ってみることにしましょう。
ちょうど現在ストーリーが展開されている昭和23年、日本では、保育所に対する大きな制度改革がなされました。それまでは「託児所」と呼ばれ、「経済的に不自由な保護者の救済施設」として見られていた保育所が、正式に児童福祉施設へと変わったのでした。
でも、それに伴って人々の認識が急に変わるというわけでもありません。今のように、幼稚園より保育所を利用する子どもの方が多くなったのは、1990年代後半以降になります。
私自身が体験した1980年代のある日の出来事。普段、幼稚園に通っていた私が、親の仕事のため、一日だけ保育所に預けられるということがありました。その話を聞き、驚いたのは私の大正生まれの祖母です。
大慌てで、1時間も経たぬ間に、保育所までお迎えに飛んできました。そのときの祖母の言葉が、まさに、喜代と同じ、「不憫なことを・・・」だったのです。
1980年代でさえそんな認識なのですから、この昭和23年に、おそらく明治生まれかそれより前の生まれである喜代が、すんなりと受け入れられるはずもありません。ましてや、自分自身、生粋のお嬢様として育った琴子が大反対するのも、当然のことといえるでしょう。
◇ 明美を無視した新聞記事の余波
近頃、ちらちらと怪しい影を見せていた男性。正体は、玉井でした。根本がかつて梅田の闇市を仕切っていた頃、子分だった男です。
例の新聞記事を持ち、なにやら明美のことを嗅ぎまわっているようですね。明美のことを無視していた新聞記事の件は、キアリスが大急百貨店への出店を決める布石となり、それでとりあえずこのエピソードはおしまいになるのかな、と思っていましたが・・・。
どうやら、まだまだ今後の4人の行く末に、暗い影を落としていきそうです。
◇ 違和感を覚えるすみれたち
紀夫を間に挟み、キアリスと大急百貨店の取引の話はどんどんと進んでいきます。
坂東営業部で、大急百貨店の担当者・小山と引き合わされたすみれは、そこで思ってもみない条件を突きつけられます。
「キアリスのタグをすべて外し、『大急特選』を付ける」。
大急百貨店のお墨付きの印、「大急特選」。それを付けられるという条件は、紀夫の喜ぶ顔からもわかるとおり、キアリスのような出来たばかりの小さなお店にとっては、驚くべき快挙です。でも、すみれは、どうしても納得がいきません。
実は、このエピソード、ドラマの創作ではなく、モデルとなったファミリアと坂野惇子さんの実話に基づいて描き出されています。阪急百貨店で商品を売ることになった坂野さんも、「ファミリア」の名前を出さず、「阪急特選」として納品するように促されたと言います。
どんなに小さなブランドでも、自社タグを付けて売るのが一般的となった現在の感覚では、すみれやモデルとなった坂野さんの思いも、それほど突拍子のないものに感じないかもしれませんが、当時の商売の常識では、これはとんでもない話です。
外国からのブランド商品や皇室御用達のブランドでもない限り、大手のデパートが、作った店の名前を表に出して商品を売ることはありません。
デパートで商品を売ることができる。さらに、「大急特選」のマークを入れられる。これは、紀夫でなくても、商売人であれば誰もが、諸手を挙げて大喜びする破格の条件なのです。
けれども、それに違和感を覚えるのは、すみれだけではありません。
「それって・・・」「なんで?」君枝も良子もやっぱり何だか不満げな様子です。
先日のすみれのひらめきで、付け始めることになった「キアリス」のタグ。君枝の可愛いデザインが踊る包装紙。ただ必死に良いものを作るという段階を過ぎ、すみれたちは、いつしか「キアリス」というブランドに対し、今まで以上に誇りと愛情を持ち始めていたのです。
損得勘定だけで動くすみれたちではなければ、きっと作りあげることができないキアリスの素晴らしい商品。けれども、その感覚は、紀夫や小山たちのビジネスの常識からは大きくかけ離れてしまっています。
この両者の隔たりをどうやって埋めていくのか・・・。まだまだ、大急百貨店への出店には、たくさんの壁が立ちはだかっているようです。
ではでは
感想byありす