NHK朝ドラ「べっぴんさん」
ネタバレあらすじ感想10週55話
2016年12月5日(月)放送
べっぴんさん10週テーマ「商いの聖地へ」
べっぴんさん ネタバレ感想・最終回まで10週55話
12月5日(月)
大急百貨店にて・・・
大島がすみれを呼んだのは、出店を断った理由を聞きたかった為でした。
大島は、先日すみれが大急百貨店に来ていたのを見掛けたと言い、その時に何かを感じたから出店を断ったのではないかと、すみれに尋ねます。
大島の問いに、すみれは売れ残った商品が処分される様子を見て悲しくなった事を、正直に話します。
そして、自分達が一つ一つの商品に思いを込めていて、その思いを理解してもらえない人達には商品を任せられないとも伝えるのでした。
すみれの言葉に、同席した紀夫は、大島を怒らせてしまっただろうと覚悟します。ところが、大島の反応は違いました。
大島は、日々の忙しさの中で、すみれの言う“一番大事な事”を忘れてしまっていたと話し、すみれに「すまなかった。」と頭を下げます。そして、10日間、自分達の手で販売できる『委託販売』でやってみないかと提案するのでした。
キアリスにて・・・
店に戻ったすみれと紀夫は、メンバーと、夫たちも交えて話し合います。メンバーは、皆やってみたいと乗り気です。
しかし、勝二と昭一は、『委託販売』という意味が分かっているのかと問い詰め、場所代や人件費、売れ残りの損害などの全てがキアリスの負担になると心配します。しかし、やるしかないと張り切る妻達に、呆れるしかないのでした。
そして、夜になり。この日も、夫達は屋台で『男会』を開きます。今夜は、3人に加えて武も参加しています。
そんな中、紀夫の思いは複雑です。夫としては勝二や昭一と同じ意見ですが、坂東営業部の仕事上は、キアリスの出店を応援しなければならない立場にあったからでした。
キアリスにて・・・
ある夜の事、玉井が再び明美を訪ねて来ました。今度は模倣品の見本を作ったと言いそれをひろげます。
しかし、明美は偽物で儲ける気など無いときっぱりと断るのでした。
すると、玉井は舌打ちし「綺麗ごと言いよって」と吐き捨てるように荒ぶります。
と、その気配を察したように武が奥から飛び出して、玉井をぐっと睨みつけます。その勢いに押され、玉井は、後悔するぞと言い残し帰って行くのでした。
数日後。
正式に『委託販売』の話を決定したキアリスには、商店街の時子達や、悦子、悦子の女学校時代の友達の富士子と順子が集まりました。そして、すみれ達は、君枝の家の2階を作業場にと、ミシンや机を運び込んで準備に取り掛かりました。
ところが、そんな準備の最中、君枝の義母・琴子が、こんな話は聞いていない『やめてほしい』と言い出すのでした・・・つづく
▮大島社長役の伊武さんの多彩な芸歴・YMOとも?
▮武役の中島さんは「とと姉ちゃん」にあの役で出演?
▮玉井役ドン平さんはカヌーの国体選手?>>
べっぴんさん10週55話・感想まとめ
天下の大急百貨店社長・大島と直接対峙することになったすみれ。
小さい頃のすみれをよく知っている私たち視聴者は、ついつい心配してしまうところですが・・・。
◇ ビジネスマンとして成長したすみれの姿
自分の思ったことをうまく口にできなかったすみれ。でも、今の彼女は違います。キアリスの商品一つ一つには、たくさんの「思い」が込められているのです。それをぞんざいに扱ったり、ましてや工程を減らせと言われたりすることは、たとえ相手が誰であっても許すことはできません。
大急百貨店の社長とでもしっかりと渡り合えるその言葉に、大きな成長を感じますね。持って生まれた芯の強さに、父・五十八や前回の夫・紀夫からのアドバイスもあり、仕事人としての自覚も伴ってきたすみれ。
すみれの魅力は、「思いの強さ」もさることながら、周りの言葉を真っ直ぐに受け入れられる「心の素直さ」にもあるようです。
◇ 大島社長は超一流のビジネスマン
その「思い」を聞き、普通の社長であれば、怒り出したり、無視したりしてもおかしくないところですが、大島はここで器の大きさを見せつけます。
飛ぶ鳥も落とす勢いの大急百貨店に、たかだか数年前にオープンした地元の一商店が、大きな口を叩いているのです。小山のように「世間知らず」とすみれに不快感を抱いても何の不思議もありません。
けれども、大島は大急百貨店側の非礼をわびます。
その謝り方も非常にスマート。部下のことを一切責めるわけではなく、一旦は「忙しいんだ。」と部下の立場を受け入れ、その上で、自分自身の責任として、きっちりと謝罪しているのです。
これは、なかなか簡単にできることではありませんよね。
このあとのシーンで、すみれに連れられてやってきたキアリスの四人組を前に、すべて名前を言い当てる大島。ビジネスマンとしては、一流の中の一流、まさに「べっぴん」といえるでしょう。
この大島との対面のあと、明美は玉井のイカサマ商売の誘いを断ります。もしかすると、新聞にも載っていなかった明美のこともきちんと覚えていてくれた大島の誠実な対応も、明美の中で「自分もキアリスの一員なんだ!」という大きな自信と誇りに繋がったのかもしれませんね。
潔から接待を受けても、譲れない一線は決して譲らない大島。優しさと強さを兼ね備えた素晴らしい経営者として描かれていますが、この大島にもモデルとなった人物が存在します。「阪急の大番頭」とも呼ばれた清水雅氏です。
阪急の創始者として有名な小林一三の懐刀として、阪急百貨店の社長を皮切りに、東宝の社長や阪急電鉄の会長にも就任した関西を代表する大実業家の一人です。
神戸・三宮を散歩中、キアリス(実際にはファミリア)を見かけて一目で気に入ったというエピソードも、清水氏の実話。先見の明もある人物だったようですね。
すみれと大島の関係は始まったばかり。これからも色々なシーンで二人の会話が繰り広げられることでしょう。
◇ 武の淡い恋心!?
大島と同様に、今回クローズアップされたのが、「たけちゃん」こと足立武でした。明美を守るべくすごんで見せるのですが、確かに、彼女の言うとおり全く怖くありません。
玉井をビックリさせることしかできませんでしたが、明美を守りたいというその「思い」は、ちゃんと彼女にも伝わったようです。
お互い年の差もかなりあるはずですが、どちらも寂しい境遇のふたり。
明美の方は、今のところ「可愛い弟分」という程度の認識しかなさそうですが、どうやら武の方は、ただの「お姉さん」として慕っているだけではなさそうです。
明美に家に呼ばれ、玄関の前で身だしなみをチェックする姿は、まさに「青春!」という感じでしたね。
晴れて「男会」にも入会することになった武。
一部ネット上では「明美の相手は栄輔か・・・?」という声も上がっていましたが、その栄輔と入れ替わりで登場したという点でも、なかなか意味深な気がします。この二人からも目が離せないところですね!
◇ 新生キアリスの船出のとき
女性たちが一丸となって、新生キアリスのスタートです!「男会」に対して、こちらは、さながら「女会」。武がしっくりと馴染んでいるのが、少し気になりますが・・・(笑)。
生まれも育ちも、そして、現在、置かれている状況も様々に異なる女性たちが集まって、前へ進もうという姿には、何とも言えないすがすがしさを感じます。
「どうやって死ぬかより、どうやって生きるか。」
明美が玉井に語った言葉は、ここにいる女性たちすべての「思い」でもあるのでしょう。数々の絶望を乗りこえてきた彼女たちだからこそできること。いよいよ新生キアリスの船出の瞬間です!
彼女たちを心配して、ついつい損得勘定をしてしまう男性たちですが、はたして、「女会」は、彼らを驚かせることができるのでしょうか?
気持ちよいスタートが切れた・・・と言いたいところでしたが、最後の最後で、琴子という難敵が待ち構えていました。
一方、小山の在庫の勘定にも何だか不安が残ります。
さあ、いきなり与えられた大きな試練を、彼女たちはクリアすることができるのか・・・。明日もまた「べっぴんさん」から目が離せません!
ではでは
感想byありす