NHK朝ドラ「べっぴんさん」
ネタバレあらすじ感想22週125話
2017年3月2日(木)放送
べっぴんさん22週テーマ「母の背中」
べっぴんさん ネタバレ感想・最終回まで22週125話
キアリス本社にて・・・
万博での衣装作りに、キアリスのメンバーは大忙しです。手直しをする事になった多くの子供服を見ながら、さくら達新入社員は、数ミリ単位の直しをわざわざする必要があるのかと疑問を感じます。
それを聞いたすみれは、ショーの主役である子供達の笑顔が一番大事だと言い、その為には洋服がその子にぴったり合っていないと、心からの笑顔を引き出せないのだと話します。
すると、君枝も良子も明美も笑顔でそれに応えるのでした。
その事を開発宣伝部の明日香、久美子、直子に話すと、明日香達は「そこまでのこだわりがあるから、今のキアリスがあるんやろと思うわ。」と言い、『子供達の事を考えられるかどうか』それしか無いのだと話してくれます。
その言葉を聞いたさくらは、『キアリスらしさ』の何かを感じたようでした。
万博のショー会場にて・・・
栄輔の手掛けたショーは、大盛況です。会場には、潔とゆりの姿もあります。
そんな中、ゆりは観客の中に思わぬ人物を発見します。
かつて梅田の闇市を仕切っていた『根本』でした。
やがてショーが終わり、潔や栄輔達が話していると、そこに根本が近付いてきます。
根本は潔に挨拶をし、玉井に今はどうしているのかと聞きます。栄輔の元で真面目に働いていると聞くと、安心した様子を見せるのでした。
根本は、梅田の闇市は立派な商店街になったと言い、自分もそろそろ引退だと話します。そして、今の日本は人の手から離れて行くような感じがすると話し、不安だと漏らします。「あとは、頼んだで。」根本は潔達にそう声を掛け、会場を後にするのでした。
「あんなに物が無くて、ただ生きる事に精一杯やったのにね…」
こうして、3月から開催されてきた万博は幕を閉じたのでした。
昭和45年10月。
さくらは、キアリスの子供服の隅々を探り見て、その中にいくつものこだわりがある事、その『キアリスらしさ…』に気が付きます。
その日、帰宅したさくらは、すみれに改めて次回の『商品審議会』に挑戦させて欲しいと願い出るのでした・・・つづく
べっぴんさん22週125話・感想まとめ
万博の締めくくりのショーに向け、忙しそうだけれどどこか嬉しそうな、すみれたちキアリス創設の4人組。
一方、さくらたち新入社員は、たとえ数ミリであっても手直ししようとするすみれたちの仕事に戸惑いを隠せません。どうやらこの辺りに、すみれとさくらの仕事上の距離を縮めるキーワードが隠されているような予感がします!
これが本物の「べっぴんさん」
数ミリのズレさえも直そうとする4人に、あきれ顔のさくらたちですが、むしろすみれたちにとっては「そのことに驚きを感じる新入社員」に驚きを感じている様子。
思い返してみれば、オムツや赤ちゃんのドレスなど、ほぼ注文販売のような形式で始まったキアリス。
それ以来、常に目指してきたのは、子どもたちが笑顔になれる「べっぴん」を作るということでした。
確かに大人に取ってみれば、数ミリぐらいのズレは何の問題もないことでしょう。
けれども、子どもにとってその数ミリのズレは、もしかすると気になって気になって仕方ない大きなストレスとなるかもしれないのです。
実際、キアリスのモデルとなったファミリアの服は、「お受験服」の定番?となっているようです。
とある塾でも、保護者への説明会では、金銭的に可能であるならば、面接にはファミリアの服をおすすめしているようです。それは、ただ皇室御用達であるからとか、見た目が上品であるからといった理由だけではないようです。
お受験当日は、ちょうど今回のキアリスのショーと同じように、子どもたちも当然緊張します。さらに普段着慣れないスーツやジャケットを身にまとい、息苦しさはピークに達していることでしょう。そんなとき、首のつけねや袖口などが気になったら・・・いつもの実力は発揮できませんよね。
その点、ファミリアのスーツやワンピースは、デザイン性だけでなく、子どもたちの着心地を第一に考え、肌に優しい素材を選んで丁寧に作りあげられているということで、ここ一番、というときにも、子どもの笑顔を引きだしてくれる服なんだそうですよ。
そう考えてみると、まさに、今回、すみれたちがこだわった「数ミリ」こそが、キアリスのキアリスたるゆえん。そして、そのことは、たとえ血がつながっていなくても「キアリスファミリー」である開発宣伝部の明日香たちは、ごく当たり前のこととして理解していたのですね。
数ミリにこだわり、子どもたちの笑顔を追求する。それこそがキアリスの生みだす「べっぴん」。今回のショーをきっかけに、さくらたちも本当の意味で「キアリスファミリー」の一員になってくれることを期待します!
「古めかしさ」を失う日本
ショーは大成功に終わりました。
当時の映像を織り交ぜながら放送された大阪万博もこれで幕を閉じることになりました。3D、さらには4DといったCG映像に慣れている私たちにとっては、いろんな意味で「古めかしさ」を感じるところもありましたね。懐かしくご覧になった皆さんも多かったのではないでしょうか。
そして、ここで思いもかけない人物が再登場しました。
かつて梅田の闇市を仕切っていた根本です。
五十八の言葉をきっかけに生き方を変え、おそらく大阪の発展に大きく貢献してきたのでしょう。
他の登場人物が洋服を着る中で、こちらも「古めかしく」一人着物を身につける根本の姿。進歩に対する漠然とした不安を語り去っていく根本の横で、ゴミをポイ捨てしていく人々の姿に、その後の日本を知る私たちとしては、複雑な思いに囚われてしまいますね。
物がなかった敗戦直後を乗りこえ、成長を続ける日本。その代償として失おうとしている日本人の美徳。もしかすると、「物がない」時代が終わり、「心がない」時代に変わっていってしまうのではないだろうか・・・。良い意味でも悪い意味でも、「古めかしさ」を失ってしまうのではないだろうか・・・。
すみれたちの胸中も、私たち視聴者同様、ショーが成功に終わった晴れやかさだけではないようです。
「想い」か「効率」か?
それと対照的なのが、前進を恐れない「KADOSHO」の古門社長。根本が玉井を表現した「こいつは嗅覚が優れた男や・・・。金の臭いのするところにはいつの間にかおる。」という言葉も、何だか一筋縄ではハッピーエンディングに向かわないフラグのような気がして少し心配です。
今回は1回限りのショーということもあり、品質にこだわり、人の想いや心を大切にするキアリスと、効率を重視するエイスやKADOSHOの間で、特に大きなトラブルは発生しませんでした。
「想い」か「効率」か。
まさにこの朝ドラのタイトルにもなっている通り、あくまでも「べっぴんさん」作りを追求しようとするすみれたち。ひたすら日本の前進を目指す古門や栄輔たちとの間で、最後に一波乱あるのでしょうか?
残り1ヵ月を切った「べっぴんさん」。やはり最後まで目が離せませんね!
ではでは
感想byありす