NHK朝ドラ「とと姉ちゃん」
ネタバレ感想11週63話
2016年6月15日(水)放送
とと姉ちゃん11週テーマ「常子、失業する」
とと姉ちゃん ネタバレ感想・最終回まで11週63話
常子は退職の始末をし、最後にリーダーの早乙女にお礼を言うと、力なく浄書室を出てゆくのでした。「聞いたよ・・・」給仕の坂田徳之介がいました。坂田は新聞紙の包みを常子にそっと手渡します。ありったけのキャラメルを集めたんだと言う坂田に「ありがとうございました」と力なく答え、常子は鳥巣商事を去ってゆくのでした・・・
帰り道、何とか気持ちを整理すると、いつもの常子らしさを装います。
森田屋にて・・・
大将の宗吉と、妻・照代が深刻な顔で語り合っていました。「わかった、俺が話す。・・・もうそれしかねぇだろ」
「ただいまー!」そんなところに、常子が帰ってきました。
二人は深刻な雰囲気を取り繕い、照代が「…今日は早いのね」と言うと、常子は「はい、会社クビになっちゃったんで~」と精いっぱいの笑顔を作ってみせるのでした。
夕食時に、常子のクビのいきさつが話され、ひどい話だとみんなが同情すると、これ以上悪くなりようがないからよかったのだと、常子は強がって見せます。
その側で、宗吉と照代の箸が止まるのでした…
退職後10日目。青柳商店にて・・・
常子は仕事を探すために滝子のもとへと相談に向うのでした。
常子が祖母・滝子の帰りを待っていると、戻ってきた滝子は店に入るやいなや倒れてしまうのでした。陸軍から統制価格のさらに半額で木材を供出するよう命じられたというのでした。
軍の命令に憤る隈井や清でしたが、もちろん逆らうことなどは出来ませんでした。
国の命令に従っていては店が潰れてしまうが、拒否することもまたできずと、商売替えや閉店を口にする店が続出するのでした。
そんな中、照代が言います。
「ウチも、店をたたもうと思っております」常子は驚きましたが、まつも初耳でした。宗吉と照代は、まつには黙って、軍需景気に沸く高崎への移転を計画していたのでした。
森田屋にて・・・
「冗談じやないよ!」まつは東京を離れるつもりはなく、寄り合いから帰っても怒りは収まりませんでした・・・
何の前触れもなく、店をたたむと言い出した照代と宗吉に激怒するまつでしたが、移転しようというのには大きな理由があったのでした。
深川では、得意先も潰れていくばかりで、家賃も払えないありさまの森田屋でした。
宗吉は自分の仕事を続けたい、景気のいい高崎に行けば弁当屋で腕が振るえる、また、妻・照代の姉が高崎で繁盛している洋食屋を、手伝ってほしいとの誘いにも応えたかったのでした。
それでも首を縦に振らない大女将・まつに、珍しく照代が強い口調でお願いします。そして、ついに照代のホントの理由を打ち明けます。
「富江のおなかには赤ちゃんがいます!」
えぇ~!これには宗吉も驚いてしまいます。
富江たちと照代しか知らないことでした。
やがて宗吉は怒りに満ちた表情で、相手は誰かと糾弾すると、「すいません!大将~!!」と、長谷川が土下座し「富江さんと結婚させてください!」と言うのでした。
一同は声も上げずに、ただ目を丸くしてその光景を見ているのでした… つづく
■激怒する大女将・まつ役秋野さんのこと>>
■怒りの口火を切った照代役平岩紙さんのこと>>
とと姉ちゃん11週63話・感想まとめ
【群馬・高崎と軍需産業】
この頃の高崎は、軍需産業が盛んになっていました。軍需産業とは、軍隊で使うものを製造、販売する産業を言います。高崎は元々、江戸時代には城下町として栄えていました。そして、中山道の中でも大きな宿場町として有名な場所でもありました。
そんな高崎は、昭和12年の日中戦争勃発を機に、軍需産業が盛んになっていきました。つまり、この頃の高崎は人や物の流れが活発で、商売がしやすかったと考えられます。
高崎には照代さんのお姉さんもいらっしゃるようですし、森田屋さんはそこを頼って行く事になるのでしょうか?
【とと姉ちゃん、無職になる】
常子ちゃん、あっけなくクビにされてしまいましたね・・・。早乙女さんの「負けないで下さい、決して。」という言葉にも、今の自分には受け止められないと、表情一つ変えずに返す常子ちゃん。
さすがに“いつも人の為に突っ走る”前向きな常子ちゃんでも、今回の事は相当ショックだったでしょうし、納得がいかなかったのでしょうね。
信頼する人からあんな酷い裏切りをされたら、つらいですよね。心が折れてしまうのも頷けます。多田さんの事情も全く分からない訳ではないけれど、だからと言って納得もできないのでしょう。常子ちゃんからしたら、「私はそんなずるい事はしない!」という思いもあるのかも知れませんね。
ですが、きっと多田さんは、この先ずっと心の中に十字架を背負っていくのでしょうね。それを思うと、彼女の事も少し心配です・・・。
そんな常子ちゃんですが、家では皆に心配を掛けまいと、必死に明るく振る舞っていましたね。さも「大丈夫、すぐに新しい仕事を見つけるから!」という一生懸命な笑顔が、何とも痛々しかったです。常子ちゃんの健気な姿に、朝から胸がきゅーっと苦しくなりました。
本当は、裏切られたショックと、これからへの不安で胸がいっぱいのはずですよね。ですが、妹達が学校を辞めて働くと言った途端、「それはやめて。」と、厳しい表情に変わったのが印象的でした。
やはり“とと姉ちゃん”、家族を守るという強い意志が、その表情と声に現れているように見えました。
【激動の深川】
しかし、あのちゃきちゃきでいつも気丈な青柳商店の女将・滝子さんが、心労で倒れてしまうとは・・・。おばあ様の身体の事が心配ですし、ご時世がご時世なだけに、何かと先行きが不安ですね。
深川でも、店をたたんだり、商売を替えたりする人がどんどん増えてきました。最近は、森田屋さんの周りでも閉店の張り紙が目立ってきていましたからね。そしてなんと、森田屋さんも高崎に移ると言い出し、その話を後から聞かされたまつさんは、嫌だ嫌だと、駄々をこねる子供のように怒っていました。
大女将である自分に相談が一切無く、さらに森田屋の中で自分だけが知らなかったという事が、どうしても許せないのでしょうね。そして、ずっと東京でやってきた老舗の大女将としてのプライドが、まつさんにはあるのですよね。そしてこのプライドは、きっと青柳商店の滝子さんも同じなのでしょうね。
さらに今日は、富江ちゃんの妊娠という、衝撃の新事実が!しかも、長谷川さんが赤ちゃんのお父さん!?これには、怒り心頭だったまつさんも、小橋家の皆も、あまりの驚きに口がぽかーんと開いていましたね。
宗吉さんも、富江ちゃんの事に関しては全く知らなかったようで。娘の妊娠を突然知らされた父親の慌てふためく様子が、母親である照代さんのどっしりと肝が据わった様子と対照的でしたね。
なるほど、ここ数日の照代さんの“怖い笑顔”の原因は、これだった訳ですね。鞠子ちゃんや美子ちゃんが案じていた宗吉さんとの離縁ではなかったのは一安心ですが、そんな予想を遥かに超える、大きな事態になりましたね~。
こうなると、できちゃった結婚(最近は、授かり婚とも言いますね。)という事でしょうか?今の時代では珍しくなくなりましたが、この頃のできちゃった結婚は、まだまだ周りの理解が得にくかったのではないかと気掛かりです。
さてさて、森田屋と小橋家、一気に波乱含みの展開となって来ました。
これからいったい、どうなるの~~~?!
ではでは
感想byさら☆彡