なつぞら 作品概要
『なつぞら』は、脚本家・大森寿美男さんによるオリジナル作品です。1937年(昭和12年)に東京で生まれ、戦争で両親を失った戦災孤児の少女・奥原なつが、父の戦友に引き取られて北海道・十勝の酪農一家で成長し、やがて上京して「漫画映画」と呼ばれた日本アニメーションの草創期をアニメーターとして切り拓いていく物語です。
ヒロイン・なつのモデルとなったのは、「魔法使いサリー」「ひみつのアッコちゃん」などを手がけた伝説の女性アニメーター・奥山玲子さんと言われています。
| 放送期間 | 2019年4月1日〜9月28日(全156回) |
| 脚本 | 大森寿美男 |
| 主題歌 | スピッツ「優しいあの子」 |
| 語り | 内村光良(なつの亡き父として) |
| 音楽 | 橋本由香利 |
| 初回視聴率 | 22.8%(関東地区) |
| 最高視聴率 | 23.8%(9月9日放送・関東地区) |
| 期間平均視聴率 | 21.0%(関東地区) |
| 時代設定 | 1946年(昭和21年)〜1975年(昭和50年) |
【北海道・十勝編】キャスト一覧
北海道・十勝編は物語の原点です。戦災孤児のなつが柴田家に引き取られ、北海道の大自然の中でたくましく成長していく姿が描かれます。
奥原家(なつの家族)
| 役名 | キャスト | 役柄 |
|---|---|---|
| 奥原なつ | 広瀬すず (幼少期:粟野咲莉) |
本作ヒロイン。戦争で両親を亡くし、柴田家に引き取られる。高校卒業後に上京し、アニメーターの道へ進む。モデルは女性アニメーター・奥山玲子さん。 |
| 奥原咲太郎 | 岡田将生 (幼少期:渡邉蒼) |
なつの兄。歌とタップダンスが好きな陽気な青年。孤児院を家出して行方不明に。のちに新宿でなつと再会する。 |
| 奥原千遥 | 清原果耶 | なつの妹。親戚に預けられるが家出し、置屋の女将の養女に。なつとの再会シーンは物語屈指の感動場面。 |
柴田家(なつの育ての家族)
| 役名 | キャスト | 役柄 |
|---|---|---|
| 柴田泰樹 | 草刈正雄 | 柴田家の大黒柱。18歳で十勝に入植した開拓者。偏屈で頑固だが深い愛情を持ち、なつに「生きる術」を叩き込む。名セリフ多数。 |
| 柴田富士子 | 松嶋菜々子 | 泰樹の娘・剛男の妻。なつを我が子同然に育てる芯の強い女性。朝ドラ『ひまわり』(1996年)ヒロイン。 |
| 柴田剛男 | 藤木直人 | 柴田家の婿養子。なつの父との戦友で、遺された約束を守りなつを引き取った義理堅い男。のちに農協勤務。 |
| 柴田照男 | 清原翔 (幼少期:岡島遼太郎) |
柴田家の長男。真面目で責任感が強い。阿川砂良に一目惚れし、のちに結婚する。 |
| 柴田夕見子 | 福地桃子 (幼少期:荒川梨杏) |
柴田家の長女。読書好きの知的な女性。のちに大学進学で上京し、小畑雪次郎と結ばれる。 |
| 柴田明美 | 鳴海唯(大人時代) 平尾菜々花(少女時代) |
柴田家の次女。しっかり者で家事を手伝う。大学卒業後は札幌の放送局で働く。※鳴海唯さんの詳細は後述。 |
柴田牧場の従業員
| 役名 | キャスト | 役柄 |
|---|---|---|
| 戸村悠吉 | 小林隆 | 柴田牧場の従業員。泰樹の情熱に惹かれ牧場に居座った頼れる存在。 |
| 戸村菊介 | 音尾琢真 | 悠吉の息子。酪農の達人で照男の後見役。TEAM NACSメンバー。 |
菓子屋「雪月」の人々
| 役名 | キャスト | 役柄 |
|---|---|---|
| 小畑雪之助 | 安田顕 | 菓子屋「雪月」の主人。十勝産の素材で創作菓子を開発し、北海道有数の製菓メーカーに発展させる。TEAM NACSメンバー。 |
| 小畑とよ | 高畑淳子 | 雪之助の母。生き字引のような存在で、ユーモア溢れるムードメーカー。 |
| 小畑妙子 | 仙道敦子 | 雪之助の妻。雪次郎の母。 |
| 小畑雪次郎 | 山田裕貴 (幼少期:吉成翔太郎) |
なつの幼なじみ。お調子者だが菓子職人を志し上京。のちに夕見子と結婚。 |
山田家の人々
| 役名 | キャスト | 役柄 |
|---|---|---|
| 山田天陽 | 吉沢亮 (幼少期:荒井雄斗) |
なつに絵とアニメーションの魅力を教えた青年画家。第134話で36歳で死去し「天陽くんロス」が社会現象に。モデルは画家・神田日勝さん。 |
| 山田正治 | 戸次重幸 | 天陽の父。戦後に東京から十勝へ移住。TEAM NACSメンバー。 |
| 山田タミ | 小林綾子 | 天陽の母。朝ドラ『おしん』(1983年)ヒロイン。 |
| 山田陽平 | 犬飼貴丈 | 天陽の兄。のちに東京の美術大学に進学。 |
| 山田靖枝 | 大原櫻子 | 天陽の妻となる女性。 |
十勝のその他の人々
| 役名 | キャスト | 役柄 |
|---|---|---|
| 倉田隆一 | 柄本佑 | 十勝農業高校の教師・演劇部顧問。なつの才能を見出す。 |
| 阿川弥市郎 | 中原丈雄 | 十勝の森に住む民芸品作家。吹雪で倒れたなつを救う。 |
| 阿川砂良 | 北乃きい | 弥市郎の娘。のちに照男と結婚。 |
| 居村良子 | 富田望生 | なつの高校のクラスメイト。 |
| 門倉努 | 板橋駿谷 | 十勝農業高校の番長。演劇部にも参加。 |
| 田辺政人 | 宇梶剛士 | 音問別農協の組合長。 |
| 松武博 | 大泉洋 | ミルコス食品の社長。最終週にゲスト出演し、TEAM NACS5人が朝ドラで勢揃い。 |
【東京・新宿編】キャスト一覧
東京・新宿編では、上京したなつが行方不明の兄・咲太郎を探しながら、アニメーションの世界に飛び込むチャンスをつかもうとする姿が描かれます。昭和30年代の活気あふれる新宿を舞台に、個性豊かなキャラクターたちが物語を彩りました。
おでん屋「風車」・パン屋「川村屋」
| 役名 | キャスト | 役柄 |
|---|---|---|
| 岸川亜矢美 | 山口智子 | おでん屋「風車」の女将。元人気ダンサーで、咲太郎の面倒を見てきた。朝ドラ『純ちゃんの応援歌』(1988年)ヒロイン。約30年ぶりの朝ドラ出演。 |
| 前島光子(マダム) | 比嘉愛未 | パン屋・川村屋のオーナー。上京したなつを住み込みウエイトレスとして雇う。朝ドラ『どんど晴れ』(2007年)ヒロイン。 |
| 野上健也 | 近藤芳正 | 川村屋のギャルソン。厳しくもなつの成長を見守る。 |
| 三橋佐知子 | 水谷果穂 | 川村屋の住み込みウエイトレス。なつの同僚。 |
新宿の人々
| 役名 | キャスト | 役柄 |
|---|---|---|
| 茂木一貞 | リリー・フランキー | 書店「角筈屋」の社長。新宿の文化人としてなつたちを見守る。 |
| 煙カスミ | 戸田恵子 | クラブ「メランコリー」の歌手。咲太郎と親しい。 |
| 亀山蘭子 | 鈴木杏樹 | 劇団「赤い星座」の看板女優。アニメの声優も担当。 |
| 佐々岡信哉 | 工藤阿須加 (幼少期:三谷麟太郎) |
なつの幼なじみ。戦災孤児仲間で、大人になって再会。千遥の行方を一緒に探す。 |
| 藤田正士 | 辻萬長 | ムーランルージュの創設者。親分的存在。 |
| 土間レミ子 | 藤本沙紀 | 咲太郎を慕う女性。 |
【アニメーション編】キャスト一覧
アニメーション編は、なつがアニメーターとして東洋動画(モデルは東映動画=現・東映アニメーション)で働く姿を描く本作の中核部分です。実在のアニメーターがモデルとなったキャラクターも多く、日本アニメ草創期の熱気が伝わります。
東洋動画の仲間たち
| 役名 | キャスト | 役柄 | モデル(推定) |
|---|---|---|---|
| 仲 努 | 井浦新 | アニメーターのリーダー。日本初の長編アニメの作画監督。穏やかで人望が厚く、なつの才能を見出す。 | 森康二 |
| 大沢麻子 (マコさん) |
貫地谷しほり | 敏腕アニメーター。のち「マコプロダクション」を設立。朝ドラ『ちりとてちん』(2007年)ヒロイン。 | 中村和子 |
| 坂場一久 | 中川大志 | 演出助手→監督。なつの夫となる。理屈っぽいが情熱的。 | 高畑勲 |
| 神地航也 | 染谷将太 | 天才肌の新人アニメーター。型破りな発想で新風を吹き込む。 | 宮崎駿 |
| 三村 茜 | 渡辺麻友 | なつと同期のアニメーター。一足先に社内試験に合格。のちに結婚・出産を経て復帰。 | — |
| 森田桃代 (モモッチ) |
伊原六花 | セル画の彩色担当。明るい性格でなつの親友。 | — |
| 下山克己 | 川島明(麒麟) | 元警察官の異色アニメーター。観察力と画力を武器に活躍。 | 大塚康生 |
東洋動画・東洋映画の上層部ほか
| 役名 | キャスト | 役柄 |
|---|---|---|
| 井戸原昇 | 小手伸也 | 東洋動画の作画監督。仲とともに制作の中核を担う。 |
| 露木重彦 | 木下ほうか | 東洋映画のベテラン映画監督。 |
| 大杉 満 | 角野卓造 | 親会社「東洋映画」の社長。 |
| 荒井康助 | 橋本さとし | テレビ班の制作進行。 |
| 山根孝雄 | ドロンズ石本 | 仕上課の課長。 |
| 石井富子 | 梅舟惟永 | 仕上課の大先輩。 |
| 堀内幸正 | 田村健太郎 | 動画担当のアニメーター。 |
| 豊富遊声 | 山寺宏一 | 元活動弁士。アフレコに参加。声優ファン歓喜の特別出演。 |
劇中の「東洋動画」は東映動画(現・東映アニメーション)がモデル。社屋外観のシーンには、豊島区西池袋の「婦人之友社」の建物が使われました。日本アニメーション黎明期を支えた実在の人物たちをモデルとしたキャラクターが多数登場し、アニメファンからも高い評価を受けました。
【注目】鳴海唯と「なつぞら」相関図での位置づけ
鳴海唯が演じた柴田明美とは?
鳴海唯さんは、柴田家の次女・柴田明美(大人時代)を演じました。明美は柴田剛男と富士子の末娘で、長女の夕見子とは7つ違い。自由奔放な姉とは対照的に、家事をよく手伝うしっかり者です。第19週(2019年8月放送)から登場し、大学卒業後に札幌の放送局で働く姿が描かれました。
なつぞらの相関図において明美は、柴田家を支える重要な家族の一員であり、十勝の実家と東京のなつとをつなぐ架け橋的な存在でもありました。
鳴海唯プロフィール
| 名前 | 鳴海 唯(なるみ ゆい) |
| 生年月日 | 1998年5月16日 |
| 出身地 | 兵庫県西宮市 |
| 所属 | フラーム |
| 女優を志したきっかけ | 映画『ちはやふる-結び-』のエキストラ参加 |
| なつぞらでの役 | 柴田明美(大人時代)第19週〜 |
| その他の朝ドラ出演 | 『あんぱん』(2025年)小田琴子 役 |
オーディション秘話
『なつぞら』は鳴海さんにとって人生初のオーディション挑戦でした。最初は柴田夕見子役に応募して落選しましたが、2度目の挑戦で柴田明美役を見事に勝ち取ります。テレビドラマ出演1作目にして朝ドラに出演という異例のデビューを果たし、大きな注目を集めました。
当時のインタビューで鳴海さんは「すごいことだし、本当に夢なのかなと思った」と感激の思いを語っています。広瀬すずさんのファンだったことも公言しており、共演が実現したことも話題になりました。
その後の活躍 ― 朝ドラ『あんぱん』へ
鳴海唯さんは『なつぞら』での朝ドラデビュー後、着実にキャリアを積み重ねてきました。2025年度前期のNHK連続テレビ小説『あんぱん』では、今田美桜さん演じるヒロイン・朝田のぶの同期の女性記者・小田琴子役で再び朝ドラに出演。琴子のさっぱりとした性格や飲みっぷりの良さが視聴者から大きな反響を呼びました。『なつぞら』で女優としての第一歩を踏み出した鳴海さんが、再び朝ドラの世界に帰ってきたことは、多くのファンにとって感慨深い出来事となりました。
朝ドラ100作目を彩った歴代ヒロインたち
『なつぞら』は朝ドラ第100作の記念作品にふさわしく、歴代の朝ドラヒロインが多数出演したことでも大きな話題になりました。物語に自然に溶け込んだ歴代ヒロインたちの存在は、朝ドラファンにとって最高のサプライズでした。
| 女優名 | なつぞらでの役名 | ヒロインを務めた朝ドラ |
|---|---|---|
| 北林早苗 | (第2話にゲスト出演) | 第1作『娘と私』(1961年) |
| 小林綾子 | 山田タミ | 第31作『おしん』(1983年) |
| 田中裕子 | 高橋秀子(産婦人科医) | 第31作『おしん』成年期(1983年) |
| 山口智子 | 岸川亜矢美 | 第41作『純ちゃんの応援歌』(1988年) |
| 松嶋菜々子 | 柴田富士子 | 第54作『ひまわり』(1996年) |
| 岩崎ひろみ | 花村和子(小学校教師) | 第55作『ふたりっ子』(1996年) |
| 比嘉愛未 | 前島光子(マダム) | 第76作『どんど晴れ』(2007年) |
| 貫地谷しほり | 大沢麻子(マコさん) | 第77作『ちりとてちん』(2007年) |
| 藤澤恵麻 | 結婚披露宴ゲスト | 第70作『天花』(2004年) |
とりわけ、なつと坂場一久の結婚披露宴のシーンでは、広瀬すずさんを含め複数の歴代ヒロインが一堂に会し、朝ドラシリーズの歴史を感じさせる華やかな演出となりました。
なつぞら 主要スタッフ情報
| 役職 | 担当者 | 備考 |
|---|---|---|
| 脚本 | 大森寿美男 | 朝ドラは『てるてる家族』(2003年)に続き2作目 |
| 演出 | 木村隆文、田中正 ほか | — |
| 音楽 | 橋本由香利 | — |
| 主題歌 | スピッツ「優しいあの子」 | スピッツ初の朝ドラ主題歌 |
| 語り | 内村光良 | なつの亡き父という設定 |
| 制作統括 | 磯智明、福岡利武 | — |
| アニメーション時代考証 | 小田部羊一 | 奥山玲子さんの夫。マリオシリーズ等を手がけた人物 |
| アニメーション監修 | 舘野仁美 | — |
| 題字・タイトルバック | 刈谷仁美 | — |
主題歌を手がけたスピッツのボーカル・草野マサムネさんは、実際に何度か北海道・十勝を訪れ、「厳しい冬を経て待ちに待った夏の空がやってくる感じ」を楽曲に込めたと語っています。
まとめ
NHK連続テレビ小説『なつぞら』は、朝ドラ第100作にふさわしい豪華キャストと壮大なストーリーで多くの視聴者を魅了した作品です。
北海道・十勝編では草刈正雄さんや松嶋菜々子さんら重厚な俳優陣が開拓者の力強さを体現し、東京・新宿編では山口智子さんやリリー・フランキーさんらが昭和の活気を生き生きと演じ、アニメーション編では井浦新さんや中川大志さん、染谷将太さんらがアニメ草創期の情熱を描き出しました。
鳴海唯さんが演じた柴田明美は物語後半の柴田家を支える重要な存在であり、鳴海さん自身もこの作品を出発点として女優キャリアを築き上げています。2025年の朝ドラ『あんぱん』への再出演は、『なつぞら』から始まった女優人生の新たな章として大きな注目を集めました。
『なつぞら』は現在もBS11やNHKオンデマンドなどで視聴可能な機会があります。まだご覧になっていない方も、改めて見直したい方も、この記事のキャスト情報を片手にぜひ作品を楽しんでみてください。

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