NHK朝ドラ「べっぴんさん」
ネタバレあらすじ感想20週110話
2017年2月13日(月)放送
べっぴんさん20週テーマ「旅立ちの時」
べっぴんさん ネタバレ感想・最終回まで20週110話
昭和37年6月。
さくらは、高校3年生になりました。ゆりの元から自宅に戻り、東京の美術大学を目指し勉強しています。

すみれと紀夫は応援しながらも、来年にはさくらが居なくなる事を思うと、少し寂しさを感じるのでした。
キアリスの作業場にて・・・
「こんなん描いてみたんやけど。」学校帰りのさくらが寄り、自分の描いたデザイン画を見せます。それを見た君枝は素敵だと言い、さくらに助言します。
さくらは、そんな君枝の話を、目を輝かせて聞いています。
そこに、健太郎が帰宅します。
良子達が、健太郎に国立の大学に進学するのかと聞き、東京へ行くのかと言います。
しかし、君枝はすかさず「まさか、一人息子よ。」と答え、京都なら自宅からも通えると当然のように言うのでした。
ある日の事。
健太郎の部屋にさくらが来ていました。本当に東京へ行くのかと聞く健太郎に、さくらは「東京には、神戸や大阪には無いものがたくさんある気がするの。」と言い、そういう場所で自分の感性を磨きたいと答えます。
一方の健太郎は、家族との話し合いの中で、自分の進学先は関西だと初めから決まっているのだと、不満そうに話すのでした。
そして、8月の事。
龍一が、いつになく真剣な表情でキアリスの事務所にやって来ます。そして、奥で会計作業をしている勝二の元へ行き、ヨットで太平洋を渡った堀江謙一氏の新聞記事を見せます。
「冒険したい!」龍一は、大学を辞め、自分も世界を周る旅に出たいと言い出すのでした。
すると勝二は、無言のまま龍一の胸ぐらを掴み、外へ連れ出します。「寝言は寝てから言え!アホか!」と一喝すると、龍一を投げ飛ばすのでした。

意気消沈した龍一がやって来ます。二郎は龍一の話を聞き、堀江氏も同じだったと言います。物事は成し遂げなければ、周りからは認められないと話します。龍一も、先に来ていた健太郎も、二郎の言葉に何かを突き動かされるのでした。
坂東宅にて・・・
喜代は、さくらが高校を卒業し、家を出て行ったあとはどうしようかと、これからの身の振り方を悩んでいました。
そんなある日の事、五十八の執事だった忠一郎が訪ねて来ます。


べっぴんさん20週110話・感想まとめ
今週から「べっぴんさん」の舞台は昭和37年、1960年代に入ります。流行に敏感な龍一。本人はいたって大真面目なのでしょうが、またまた、時代背景を忠実に再現した服装と思想で、視聴者をクスリと笑わせてくれます。
時代の象徴、ヘルメット姿の龍一
1959年から1960年にかけての安保闘争以来、多くの大学では学生運動が盛んになっている時代、ヘルメットといえば、彼らの代名詞でもありました。
反体制を訴える学生運動は、この後、どんどんと活発化し、1969年には、かの有名な「東大安田講堂事件」が起こり、東大の入学試験ができず入学者が0人という異例の事態にまで発展することになります。
自分の大学の「ノンポリ」といわれる、学生運動に参加しない同級生を批判する龍一ですが・・・。
残念ながら、学生運動の命ともいえるヘルメットの文字は「反体生」。口では過激なことを言いながらも、中西に誤字を指摘され焦る龍一、相変わらずですね。
「健ちゃん」の夢は?
龍一より1学年下になる健太郎とさくらは、受験真っ只中のようです。大きな反抗期を経験したさくらは、すっかり生まれ変わり、来春からの東京での学生生活を夢見ながら、しっかりと目標に向かい励んでいるようです。
すみれや紀夫も、家庭崩壊の危機を乗りこえ、さくらの本気の夢を心から応援しています。
一方、健太郎の心は、いまいち晴れ晴れとしません。どうやら家族からは、当然のごとく、京大を受験するものと思われているようですが・・・。密かに心を寄せているさくらが東京に行くのですから、想いは複雑。
思えば、健太郎については、将来、何になりたいのかということも、今まで明かされてはきませんでした。父親の昭一も銀行マンなので、京大を出て、大企業のエリートサラリーマンになるというのが既定路線だ、と家族からは期待されているのかもしれませんね。でも、それならば、健太郎自身の夢は?未来は??
この辺りで、健太郎も自分の意思をしっかりと示すべき時がやってきたのではないでしょうか。家族に対しても、さくらに対しても、言っておかなければならないことがあるはずです。
いつまでも優しいだけの「健ちゃん」ではいられません。今週は、健太郎の自立についても、大きな見どころになってきそうな予感です!
冒険家・堀江謙一さんに触発された龍一
「おれも冒険したい!」どうしても健太郎ほど真面目に悩んでいるように見えない、ある意味、気の毒な龍一ですが、親に言われて何となく通っている大学生活に、このままではいけないという想いを持っているのは事実なのでしょう。
ところで、このシーンで龍一が手に持っていた新聞記事、これは本当にあった出来事です。2011年に内閣総理大臣賞を受賞した海洋冒険家・堀江謙一さんが、この年の8月12日、世界初の単独太平洋横断を成し遂げました。
大阪生まれの堀江さん、この年の5月に西宮を出発したのですから、この大ニュース、龍一たちもとても身近に感じたことでしょう。二郎が解説していたとおり、当時23歳だった堀江さんの無謀ともいえる挑戦は、初め日本で大きな非難を浴びました。
ヨットによる出国は禁止されていましたから、堀江さんの行ったことは偉業どころか不法出国。さらに、何も言わずに突如出航したため、家族から捜索願まで出されてしまう始末でした。
けれども、横断先のサンフランシスコの市長が「コロンブスもパスポートは省略していた」と大絶賛し、名誉市民として滞在を許可したものですから、彼の肩書きは、不法出国の「家出人」から偉業を成し遂げた「冒険家」にかわり、日本のマスコミでも大きく持ち上げられるようになったのです。
今回は、戦前生まれの頑固親父代表・勝二に投げ飛ばされてしまった龍一ですが、本当に信念があるのなら、それがみんなに理解されるよう、態度や言葉を見直して、もう一度本気でぶつかっていってほしいものです。龍一の決意が本物かどうかも、今週のポイントの一つになりそうですね。
喜代の想い・・・そして、「冒険家」忠一郎の登場!
喜代が洗濯をするシーン、1950年代後半に「三種の神器」といわれた洗濯機が登場していました。白黒テレビ、冷蔵庫、洗濯機、日本人の生活を大きく変えた家電が、一般家庭にも標準装備され始める時代です。
喜代の仕事もずいぶんと楽になったことでしょう。来年には、さくらもこの家を旅立っていく予定です。
今日の放送を見ていて、肩の荷が下りた喜代は、何だか一気に老け込んでしまったように感じられました。未来に何を遺してきたのか・・・と自分の人生を振り返る喜代。その後ろ姿は、今までになく頼りなく見えました。
私たち視聴者から見れば、すみれの成功もさくらの自立も、決して喜代なしではありえなかったもの。それは、喜代が未来に遺すものだと誇りに思ってよいのでは・・・と思ってしまうのですが、喜代にとっては違います。
喜代はあくまでも、先代のはなの代から坂東家に仕える女中頭。はなの命に従って、一心に奉公を尽くしてきたのです。はなからゆりやすみれへ、すみれからさくらへ・・・。
ときにはペースメーカーになり、ときには叱咤激励し、ゆりやすみれ、さくらをここまで導いてきましたが、喜代の認識では、はなからの「想いのバトン」を繋ぐため、併走してきた伴走者に過ぎません。
ここにきて、喜代自身の「想いのバトン」は誰に渡したらいいのか、そもそも自分の「想いのバトン」とは何なのか、そこが宙ぶらりんのまま・・・といった気持ちが溢れてきているのかもしれませんね。
そんな喜代のもとにやってきた忠一郎。こちらも、龍一同様、「冒険の旅」というフレーズを口にしました!先日、初恋の相手は喜代だったと告白した忠一郎からの思わぬ申し出。
その真意とそれに対する喜代の反応が気になる!・・・という状態で、明日の放送を待つことになりました。これでは、明日も絶対見逃せませんね!
ではでは
感想byありす