やなせたかしの名言3選!その背景にある感動エピソードもご紹介

朝ドラ『あんぱん』のモデルとなったやなせたかしさん。やなせさんは波乱万丈な人生から生まれた、深く温かい名言を数多く残しています。ここではやなせさんの数ある名言の中から、特に心に響く3つの言葉を厳選。その背景にある感動的なエピソードと共に紹介します。

🔳「見る前に跳べ!というのがぼくの主義だ」

『アンパンマンの遺書』(岩波現代文庫)で綴られたやなせさんの仕事に対する名言です。まず行動することで、新たな可能性が開けるという考えが伝わります。

やなせさんはどのような依頼も引き受け、それぞれに全力で取り組みました。漫画家として成功する前は三越でグラフィックデザイナーをしたり、舞台美術制作や放送作家の仕事をしたりしていました。長い下積み生活を経てアンパンマンが世に知られるようになったのは、やなせさんが50歳を過ぎてからのこと。見る前に跳ぶ勇気がなければアンパンマンは生まれなかったかもしれません。

やなせさんの生き方やの名言は年齢や経験を問わず、常に新しい可能性に向かって挑戦し続けることの重要性を教えてくれます。

🔳「人間が生きていることを感じるのは、悲しいときのほうが多いんですね。」

『やなせたかし明日をひらく言葉』(PHP研究所)で紹介された、やなせさんの人生観を感じる名言です。幸せは日々の暮らしを彩りますが、悲しみや喪失を経験したときにこそ、生きているという実感が鮮明になります。

やなせさんは戦争を経験し、大切な弟を亡くしています。さらにアニメ『アンパンマン』が大ヒットした頃、最愛の妻・暢さんがガンになり、余命3カ月と宣告されました。最愛の人が病と向き合う姿を見守るなかで、喜びだけでなく、悲しみや苦しみもまた「生きる」ということの一部であると改めて実感したのではないでしょうか。

悲しみを否定するのではなく、受け入れ、生きる力に変えていくことの大切さを教えてくれます。

🔳「ばいきんまんは人間社会に必要なのです。無菌状態ではかえって危ない」

これは、社会に対立や困難が必要であり、マイナスの部分があることで成長や発展が生まれるというやなせさんの考えを表しています。

『アンパンマン』の物語でも、ばいきんまんは敵としてアンパンマンたちの前に立ちはだかります。ばいきんまんがいなければ、アンパンマンの活躍が減り、物語の楽しさも失われてしまうもの。

戦争や長い下積み生活を経験したやなせさんが、戦後の日本で暮らす中で培った考えなのでしょう。問題や対立があるからこそ、人間は強くなり、進化するとやなせさんは信じていました。

困難から逃げるのではなく向き合い、乗り越えていく姿勢が大切なのです。この考え方は、多様性を求められる現代社会を生きる私たちの心にも響いてきます。

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