『アンパンマン』シリーズでおなじみの敵キャラクターといえば、ばいきんまん。とはいえ、ばいきんまんがいなければ物語が成立しないといっても過言ではありません。そんなばいきんまんには案外知られていないトリビアもあります。この記事では、ばいきんまんの知られざる一面を紹介します。
🔳ばいきんまんは羽で空が飛べる
ばいきんまんのモデルは“ハエ”であり、背中の小さな羽を使って飛ぶことができます。ばいきんまんの初期のデザインを見ると、頭部と羽が現在よりも大きく、角には毛が生えていました。現在は丸っこい体型のばいきんまんですが、やなせたかしさんが書いた絵本では、ひょろりとしていて印象が大きく異なります。さらに、初期のエピソードでは羽を使って飛行するシーンが現在よりも多く描かれていました。
現在ではバイキンUFOを主な移動手段として使用しており、ばいきんまん自身も自分が飛べることを忘れている様子です。ただしばいきんまんが自分の羽で空を移動するシーンは、現在でも時折見られます。アニメでバイキンUFOが使えなくなるシーンがあれば、ばいきんまんの飛行が見られるかもしれません。
🔳意外な特技のあるばいきんまん
ばいきんまんは意外にも音楽に興味を持ち、チェロの演奏が得意です。TV第591話B「ばいきんまんとチェロヒキーさん」でチェロが得意なキャラクター「チェロヒキーさん」と出会い、チェロの練習を始めます。チェロヒキーさんは過去の演奏会での失敗により音楽への情熱を失っていましたが、ばいきんまんとの交流を通じて再び意欲を取り戻しました。
普段はアンパンマンにいたずらをしているばいきんまんですが、このエピソードでは悩んでいる人を励まし、音楽を楽しむ姿が描かれています。ばいきんまんのチェロの腕前は、プロ級ともいわれています。今後アニメや映画でばいきんまんがチェロを弾くシーンがあれば、注目してみてください。
🔳ばいきんまんの声はやなせたかしが担当する可能性があった!?
原作者のやなせさんは、ばいきんまん役のキャスティングに強いこだわりがあったそうで、オーディションが難航した際には、「もし、キャストが決まらなかったら僕がばいきんまんをやるから」と発言したこともあったそうです。ばいきんまん役の中尾隆聖さんはオーディション当時、NHKの子ども向け番組『おかあさんといっしょ』内の人形劇『にこにこ、ぷん』でぽろり役を演じていました。同じ子ども向けを対象とするアンパンマンと放送時間が近いため、ぽろりとは全く違う「つぶした声」でオーディションに挑戦されたそうです。最初は「こんな声で受かるはずがない」と思っていましたが、スタッフからは好評で、見事ばいきんまん役に採用されました。
もしやなせさんがばいきんまんの声を担当していたら、どのような仕上がりになっていたのか気になりますね。