朝ドラ「あんぱん」は、「アンパンマン」の作者やなせたかしさんと妻・小松暢さんをモデルにしたドラマです。この記事ではネタバレやあらすじを先取りして楽しみたい方に知られざるやなせさんのエピソードをご紹介します。ぜひご覧ください。
🔳アンパンマン生みの親やなせたかしの生涯とは?
NHK 朝ドラ「あんぱん」のモデルであるやなせさんは、父の死後高知で育ち、少年時代から物語に興味を持ちました。太平洋戦争に従軍し、戦場で「正義」の矛盾を痛感しました。戦後、高知新聞社で女性記者の小松暢さんと出会い結婚。長く無名の漫画家として苦労しましたが、54 歳で「アンパンマン」を生み出し、68 歳でアニメ化されて人生が一変しました。94 歳で亡くなるまで創作への情熱を持ち続け、その作品は今も愛されています。
🔳「あんぱん」モデル、やなせたかしと小松暢のなれそめ
1946 年、高知新聞社でやなせさんと暢さんは出会いました。雑誌の編集で絆を深め、暢さんの強さと明るさにやなせさんは強く惹かれます。そんななか、東京出張中にやなせさんが食中毒になり、暢さんが看病したことが転機となり、二人は急接近。1947 年に2 人は結婚します。貧しい結婚生活の中でも、暢さんは夫の創作活動を精神的、経済的に支えました。暢さんは1988 年に乳がんで亡くなりますが、やなせさんは妻への愛を胸に創作を続けました。
🔳アンパンマンのモデルは作者の身近な人? 絆を感じる制作の裏側
やなせさんの作品には、戦争で亡くなった弟・千尋さんとの絆が感じられます。2 歳下の弟・千尋さんは明るく人懐っこい性格で、兄弟はお互いに支え合って暮らしていました。しかし千尋さんは戦争で命を落とし、その死がやなせさんの人生観を大きく変えました。「手のひらを太陽に」の歌詞には、生きることの尊さが込められています。また、千尋さんの明るさや自己犠牲の精神は、アンパンマンの丸顔や助け合いの姿に反映されています。
🔳あの有名百貨店の紙袋とやなせたかしの意外な関係とは?
やなせさんは上京後三越に入社し、宣伝部でグラフィックデザイナーとして 7 年間勤務しました。漫画家との二足のわらじを履きながら、社内報の制作や宣伝活動を担当していました。三越在籍中に手がけた有名な仕事は、包装紙「華ひらく」のレタリングです。日本の百貨店で初めてのオリジナル包装紙は大きな注目を集め、半世紀以上にわたり三越の象徴となっています。
🔳やなせたかしの名言
やなせさんは自身の波乱に満ちた人生経験から、多くの人の心に響く名言を残しました。「見る前に跳べ!」は、まず行動することの大切さを教えてくれます。「人間が生きていることを感じるのは、悲しいときのほうが多い」という言葉は、戦死した弟や病で亡くなった最愛の暢さんへの思いから生まれました。「ばいきんまんは人間社会に必要」という言葉は、対立や困難が成長を促すことを示しています。
🔳アンパンマン誕生の背景に壮絶な自身の体験 やなせたかしがアンパンマンに託した思い
「アンパンマン」の誕生には、作者やなせさんの戦争体験が深く関わっています。戦時中、軍隊での空腹や苦しみを経験し、「最もつらいのは食べられないこと」という思いをやなせさんは抱くようになります。この思いから「困っている人に食べ物を届けるヒーロー」アンパンマンが誕生しました。敵を力で倒すのではなく、自らの顔を与えて人を助けるアンパンマンの姿勢は、平和を願う強いやなせさんの信念が反映されています。
◾️アンパンマンに隠されたやなせたかしの考える 正義とは?
アンパンマンに込められたやなせさんの正義は、敵を倒すことよりも困っている人を助ける優しさに重きを置いています。やなせさんは戦争体験を通じて「正義」は立場や時代によって変わる不確かなものであり、だからこそ「悪を倒す」よりも「困っている人を助ける」ことが大切だと考えました。アンパンマンがバイキンマンを撃退しても倒さないのは、「排除よりも共存を選ぶ」というやなせたかしの正義感を反映しているからです。
🔳意外と知らないアンパンマントリビア
日本が誇る国民的ヒーロー「アンパンマン」。よく知っているつもりのお馴染みの物語やキャラには、ちょっと変わったトリビアが存在します。ここでは、アンパンマンの知られざる一面に触れ、より深くその魅力に迫ってみました。意外な発見もあるかもしれませんよ。
★アンパンマンの頭の中、必ずしも”あんこ”じゃない?意外な秘密
通常、アンパンマンの顔の中身はつぶあんですが、特別な回では他の材料が使われたこともあります。アップルパイや栗あん、月見団子などが使われたエピソードでは、顔の中身によってアンパンマンの性格や必殺技にも変化が現れる演出がされました。アンパンマンの顔の中は、子どもたちに四季や食文化の多様さを伝える役割も果たしています
★ばいきんまんは音楽家?
宿敵ばいきんまんはハエをモデルにしており、背中の羽で空を飛ぶ能力を持っています。初期のエピソードでは羽を使って飛行するシーンが現在よりもありました。また、チェロの演奏が得意という意外な特技も持ち、作中で人を励ますような優しい一面を見せることもあります。さらにばいきんまんの声優が決まらなかった場合、やなせさんが自ら声をあてるつもりだったそうです。
★やなせたかしの引退を止めた アンパンマンマーチにまつわる感動エピソード
アニメの主題歌「アンパンマンのマーチ」は、1988 年の放送開始からオープニングを飾る名曲です。放送当時から哲学的な歌詞が話題を呼び、賛否両論を受けつつも子どもたちに広く浸透しました。2011 年の東日本大震災では、この曲が多くの人々に希望をもたらし、避難所では多くのリクエストが寄せられました。その反響を受け、作詞者のやなせさんは引退を思いとどまり、支援活動に尽力します。
🔳アンパンマンだけじゃない やなせたかしの隠れた名作とは?
やなせたかしさんの絵本「やさしいライオン」は、「アンパンマン」以前に描かれた名作です。孤児のライオン・ブルブルが、子を失った母犬・ムクムクに育てられ、深い愛情で結ばれる物語です。やなせさんの愛に満ちた独自の世界観が魅力で、読み聞かせ中に涙を流す親も多く、話題となりました。彼の創作活動の原点ともいえる名作のため、ぜひチェックしてみてください。
朝ドラ「あんぱん」初回から最終話まで一気にネタバレあらすじを読みたい方はこちら!
連続テレビ小説「あんぱん」
NHK 総合 (月)~(土)午前8:00~8:15 ほか 土曜日はダイジェスト※を放送
脚本:中園ミホ
語り:林田理沙(アナウンサー)
出演:今田美桜、北村匠海、加瀬亮、江口のりこ、河合優実、原菜乃華、細田佳央太、高橋文哉、中沢元紀、大森元貴、二宮和也、戸田菜穂、浅田美代子、吉田鋼太郎、竹野内豊、阿部サダヲ、妻夫木聡、松嶋菜々子ほか
主題歌:RADWIMPS「賜物」