NHK 連続テレビ小説『あんぱん』は、ついに第10 週を迎えました。主人公・のぶの愛国心に焦点が当たる描写が続き、視聴者の間では、賛否が分かれる声が広がっています。さらに、嵩の出征という大きな出来事を迎え、物語は新たな局面に入りました。この記事では、のぶの愛国心を巡る視聴者の反響と、波乱に満ちた今週のあらすじを詳しく振り返ります。
「のぶの 愛国心 に視聴者から賛否の声 次郎との対立が話題に」
のぶの愛国心は戦時下の価値観を反映したものですが、視聴者の共感を得るには難しい言動が増えています。女子師範学校への進学を機に、のぶは愛国心を他人に押しつけるようになってきました。
例えば第48 話では、夫の次郎が「この戦争に勝てるとは思わん」と本音を漏らした際、のぶは「そんなこと思うてはいけません!」と否定し、戦争勝利を信じるよう促します。ほかにも以下のような場面が賛否を呼んでいます。
●柳井崇から赤いバッグをプレゼントされた際、「こんな贅沢なものに使うお金が
あったら献金すべき」と突き返す
●妹・蘭子に対しても「命を懸けて戦った豪を立派だと言ってあげなさい」と発言
視聴者からは「のぶは愛国心を叩き込まれてるからなぁ 負けるなんてありえないと思ってるからなぁ 洗脳されてる様に感じた?次郎は少し寂しそうだったなぁ」「いろいろな国を回って世界情勢を知り尽くしている次郎と井の中の蛙で残酷な愛国心を振りかざすのぶ。次郎さんは永遠の別れになる事を悟っていたから愛する妻に大切なカメラで自分の姿を収めて欲しかっただろうに」といった声が聞かれました。
「あんぱん」は「アンパンマン」の原作者・やなせたかしとその妻・小松暢さんをモデルにした作品ですが、ドラマオリジナルの描写も多数見られます。
のぶの強い愛国的な言動は、戦時中の価値観を表す演出として描かれているようです。今後の展開でのぶの価値観がどのように変化していくのかに注目ですね。
ついに嵩も出征 母・登美子の言動にも注目
第10 週では、嵩の出征が描かれ、物語は大きな転換点を迎えました。特に注目されたのが、嵩の母である登美子の言動です。
登美子は、出征を前に不安を感じている嵩に対し、「そんなの無理に決まってるでしょ。子どもの頃から気が弱くて、虫も殺せない嵩が、戦争なんて無理に決まってるでしょ」と突き放すような言葉を投げかけました。この言葉を聞いた嵩は「それが、これから祖国の役に立とうとする息子に言うこと?」と反発します。
この場面に対してSNS 上では、「いや、それは母の愛だよあなたには向いてないから戦争なんか行くもんじゃない辛い思いをして頑張らなくていい立派じゃなくていい行かずに生きなさい。登美子が崇に、のぶが次郎に言えなかったように、本音を言えずに送り出した人が日本中にいた」「登美子さんの崇評はきっと正しい。でも『んじゃ辞めるわ』って訳にもいかないしな」など、様々な解釈が見られました。
登美子役の松嶋菜々子さんの演技も相まって、母親として子を守りたい気持ちと、時代の流れには逆らえない現実が伝わるシーンでした。ネットでも「たしかに今朝の『あんぱん』での松嶋菜々子の演技は凄かったな。グッと来た」と演技を絶賛する声が聞かれました。セリフだけでは読み取れないセリフだけでは伝わらない微妙な間や視線の動きも、見事に表現されていました。
嵩の出征を機に、物語は新たな局面へと進みます。のぶや嵩、そして登美子たちを取り巻く人々の運命がどう展開していくのか、今後も注目されます。
【6/2〜6/6】第10週のおさらいー嵩の出征と家族の葛藤―
第46 回(6 月2 日・月曜)
ヤムおんちゃんこと草吉は若い頃、銀座でパン職人をしていましたが、より美味しいパンを求めてカナダへ密航していた過去がわかります。第一次世界大戦ではイギリス軍の日本人義勇兵として従軍し、塹壕戦の過酷さを経験しました。仲間の死や空腹に苦しむ様子を釜次に語り、乾パンしか食べられない過酷な状況を釜次に訴えます。のぶは、乾パン作りを草吉に頼んだことを悔いるのでした。
第47 回(6 月3 日・火曜)
1941 年12 月、太平洋戦争が始まり、健太郎に召集令状が届きます。嵩は健太郎の作った辛いカレーを食べながら見送り、互いに「生きてまた会おう」と誓います。その後健太郎は、出征のために福岡へ帰郷しました。年が明け、小麦粉の配給制により朝田パンは休業に追い込まれます。
次郎は航海が取りやめになり、のぶのもとに帰ってきます。航海中に撮った写真をのぶに見せ、次郎は写真の魅力について語るのでした。
第48 回(6 月4 日・水曜)
のぶと次郎は朝田家を訪れ、家族写真で楽しいひとときを過ごします。朝田家からの帰り道で、のぶは戦後の夢として生徒への楽しい授業や次郎との海外旅行への憧れを語ります。次郎の出航の日、彼はのぶに「戦争には勝てない」と本心を明かし、もしもの時はのぶに夢を託すとカメラを渡します。のぶは、次郎の言葉を否定し日本必勝を強く主張するのでした。
第49 回(6 月5 日・木曜)
嵩に赤紙が届き、出征の準備が進みます。のぶは兄の召集に不安を抱く生徒・紀子を「日本は勝つ」と励まします。しかし内心では葛藤し、言葉にできない思いを抱えていました。嵩も不安を抱え、母の登美子に会い、戦争への恐れを語ります。登美子は「戦争なんて無理」と突き放すような言葉を返し、嵩は反発。言葉の裏にある母の思いに気づけず、すれ違いが残ります。
第50 回(6 月6 日・金曜)
嵩の坊主頭を見て出征を悟ったのぶは、激励の言葉をかけるが、内心では複雑な思いを抱いていました。出征当日、町の人々が嵩を見送り、伯母の千代子も声をかけます。商店街の奥から登美子が現れ、「何をしてもいいから生きて帰れ!」と叫ぶのでした。憲兵に連行されそうになる登美子をのぶがかばい、2人とも咎められてしまいます。嵩が機転を利かせてその場を収めました。嵩は入隊後、同級生のコン太と再会。ともに福岡の小倉連隊へ送られます。
今週の『あんぱん』では、のぶの愛国心に対する視聴者の反響が大きな話題となりました。また、嵩の出征が描かれ、物語は新たな展開を迎えています。来週以降、のぶの価値観や家族の関係性がどのように変化していくのか、注目が集まります。